JR東日本は、東京オリンピックを見越して会場付近の駅や乗換駅などの改良工事を進めようとしています。
すでに千駄ケ谷駅・信濃町駅・原宿駅は工事に着手していますが、今後新たに湾岸部の会場や空港アクセスの乗換駅となるなどの駅の改良工事も進めます。
対象となるのは、「新木場駅」、「新橋駅」、「浜松町駅」、「有楽町駅」。
これらの駅はオリンピックに向けて、どのように変わっていくのでしょうか?
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オリンピックで需要が高くなる駅の改装を新たに発表
JR東日本では、メイン会場である国立競技場や国立代々木競技場への最寄り駅になる「千駄ケ谷駅」・「信濃町駅」・「原宿駅」ですでに改装工事を行っています。
今回新たに4つの駅で、改装工事をすることが発表されたのですが、どの駅も大会期間中利用者が増えることが想定されています。
4つの駅は、「新木場駅」、「新橋駅」、「浜松町駅」、「有楽町駅」。
なお、今回発表された改良工事ですが、すでに発表済みのものや既に工事に着手しているものも含まれています。
浜松町駅は、空港アクセスのモノレールとの乗り換え需要を見越してですが、それ以外は湾岸部の会場へのアクセス絡みで利用者が増えることが予想される駅です。
東京湾岸部の競技と会場をチェック
東京湾岸部でどのような競技が行われ、どの競技会場が使用されるのかを、あらためて主なものをチェックしてみます。
ただ、東京オリンピックの会場に関しては、いろいろ問題もあり、今後変更の可能性はありえるかもしれません。
- バレーボール 有明アリーナ
- 自転車競技(BMX) 有明BMXコース
- 体操・新体操・トランポリン 有明体操競技場
- テニス 有明テニスの森
- トライアスロン・水泳 お台場海浜公園
- ビーチバレー 潮風公園(お台場)
- カヌー(スラローム) 葛西臨海公園
- アーチェリー 夢の島公園
- 水泳・飛び込み シンクロナイズドスイミング オリンピック アクアティックセンター
有明やお台場周辺の競技会場に関しては、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)または東京臨海高速鉄道りんかい線のいくつかの駅からアクセスすることになります。
JRでいうと、ゆりかもめは新橋、りんかい線は新木場や大崎が乗り換え駅として重要になります。
大崎も乗換駅ですが、大崎駅で乗り換えることなく直通でのアクセスもあります。
そのためそれほど大崎では、大混雑ということにはならないとJRも予想しているのでしょう
葛西臨海公園は、最寄り駅は京葉線の葛西臨海公園駅ですが、東京駅の京葉線ホームが他の各線ホームと距離があるため、新木場で京葉線に乗り換える人も多いでしょう。
夢の島公園は新木場が最寄り駅ですし、水泳などの人気主要種目会場である「オリンピック アクアティックセンター」は、JR京葉線「潮見駅」や新木場駅が最寄り駅になります(一番近いのはメトロ有楽町線の辰巳駅ですが) 。
有楽町に関しては、ウエイトリフティングが東京国際フォーラムで行われ最寄り駅になります。
また、湾岸会場で京葉線に乗り換える際に、東京駅ではなく有楽町で乗り換える人もいるでしょう。
JR東日本にとっては、東京駅の混雑をできるだけ緩和させたいでしょうし、有楽町で乗り換えてくれたほうがありがたいはずです。
そのため、大々的に有楽町乗り換えなどをアピールするかもしれません。
実際の乗り換え方法はこちらが参考になります。
JR京葉線東京駅へ、JR有楽町駅から乗換え可能だった!! 実際に利用してみた
以上のように新橋駅や浜松町駅は乗換駅として、有楽町駅や新木場駅は、乗換駅の要素もあるものの主には競技会場の最寄り駅として重要になってきます。
JR東日本にとっては、できるだけ混乱を避けなければなりませんので、4つの駅の改良工事の具体策を練っていて、その計画がまとまりした。
次にそれぞれの駅がどのように改良するのかを確認していきます。
湾岸部会場への乗換をスムーズに 新橋駅の改良工事
新橋駅はすでに耐震補強工事や大屋根の拡張の工事が進んでいます。
それらの工事とあわせて、オリンピックのための混雑緩和や利便性向上、安全性向上などの改良工事が行われることになります。
新橋駅の大屋根の様子です。
もう少しアップしてみます。
JR新橋駅の改良工事は、大屋根の拡張によってホーム上の柱を少なくする他に以下の2つです。
- 鳥森口改札・コンコースの拡張による混雑の緩和
- 山手線と京浜東北線のホームにホームドアを設置し安全性を向上
出典 東日本旅客鉄道株式会社
競技会場周辺の改良工事
主に競技会場の最寄り駅の対策のため、有楽町駅と新木場駅は改良工事が行われます。
有楽町駅の改良工事
有楽町駅の改良工事のポイントは、すでに発表されているものも含めて次の3つ。
- エレベーターを大型化すると共に、国際フォーラム口と中央口のコンコースを結ぶ通路を新設して国際フォーラム口にもバリアフリールートを整備するなど、バリアフリー設備を拡充
- 階段、コンコースやトイレを拡張し混雑緩和
- 京浜東北線にホームドアを新たに設置し、安全性を向上(2016 年 9 月 公表済)
出典 東日本旅客鉄道株式会社
新木場駅の改良工事
新木場駅の改良工事のポイントは次の3つ。
- エレベーターを増設し、バリアフリー設備を拡充
- ホームとコンコースの動線がスムーズになるよう、階段とエスカレーターを増設
- コンコース、改札口やトイレを拡張し混雑緩和
出典 東日本旅客鉄道株式会社
空港アクセスの乗換をスムーズに 浜松町駅の改良工事
浜松町駅は空港アクセス路線への主な乗換駅として重要になります。
ちなみに浜松町駅では、大規模な駅前再開発も行われています。
こんな眺望抜群のタワーマンションも建設も進められています。
浜松町駅の改良工事のポイントは、すでに発表されているものも含めて次の3つ。
- エレベーターを大型化し、バリアフリー設備を増強
- 東京モノレールとの乗換えの動線がスムーズになるよう、乗換通路を相互通行化(2018 年 3 月 供用開始予定)
- 山手線にホームドアを新たに設置し、安全性を向上(2016 年 12 月 公表済)
出典 東日本旅客鉄道株式会社
JR東日本は4つの駅の改良工事で、約250億円の工事費を見込んでいます。すべての工事はオリンピック前の2020年春までに終了させる方針です。
地味ですがトイレの拡張などは、瞬間的な混雑の際には役立ちそうですね。
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