廃止の噂も聞こえてきた阪急の京とれいんですが、新たに「京とれいん雅洛(がらく)」も誕生します。
多くの鉄道会社で観光列車の導入が進んでいますが、ほとんどの列車は有料列車です。しかし、阪急の観光列車京とれいんは、乗車券のみで乗車できお得感も抜群。
そんな京とれいんですから、新しいデザインとして誕生するのはうれしい限りで、クオリティの高い車両を多くの人が体験してほしいです。
「京とれいん雅洛」2019年3月デビュー
阪急電鉄株式会社のニュースリリースで、京とれいんの2編成目となる「京とれいん雅洛(がらく)」が2019年3月にデビューすることが発表されています。
現行の京とれいんは「和モダン・京町家」をイメージした京都を強く感じることができる車両ですが、新しい雅洛も京都に着く前から京都の気分を存分に味わうことができます。
現行の京とれいんのイメージを承継しつつ、雅洛という名称は、「ご乗車されたときから京都気分」をコンセプトに、雅な都へ向かう列車として“雅洛”という造語が付け加えれています。
中国の王朝時代の都というと洛陽。“洛”は都を意味しますが、現在の京都でも洛中など都を表す言葉として使用されています。
こんなように雅洛というのはいかにも京都らしい名称で、乗車前から期待感でワクワクする人もいるかもしれません。
7000系改造車両の6両編成
京とれいん雅洛のベースとなるのは7000系車両。6300系は老朽化問題もありましたが、7000系も1980年から1988にかけてアルナ工機で製造された車両形式で決して新しい車両ではありません。
観光列車というと、その多くは古めの車両を改造したものが多いのですが(・_・)
阪急は神戸線・宝塚線・京都線の3つの本線の基本は8両編成になりますが、京とれいん雅洛は6両編成になります。
アナウンスももちろんあるでしょうが、普段の特急列車を待つ感じだと停車しない箇所もあるので、特に阪急に乗り慣れた人にとっては注意が必要かもしれません。
1両ごとに異なる外観テーマ
1両ごとに季節を定め、外観にはその季節にあった京都を感じさせる植物のデザインを施されることになります。
1号車 秋 楓か(かえで) 紅葉文様を代表する図柄「流水に楓」を用いた、秋の京都を感じる車両 |
2号車 冬 竹 枯山水の坪庭と雪見障子が相まって、凛とした京都の冬を感じる車両 |
3号車 春 桜 桜散らしの柄を使用して、はんなりとした京都の春を感じる車両 |
4号車 夏 葵 貴族に愛された 杜若(かきつばた)あしらった、夏の京都を感じる車両 |
5号車 初秋 芒(すすき) 去りゆく夏から初秋へ移りゆく季節感が味わえる車両 |
6号車 早春 梅 新春を迎えた京都を感じさせる煌(きら)びやかな車両 |
いづれも京都を感じさせてくれる植物で季節感があります。京都の観光は季節によってそれぞれ魅力がありますから、それぞれの季節の雰囲気を味わえるのは季節限定運行ではない京とれいんには必要かもしれません。
また、こちらのような 京都の寺社建築で用いられる「円窓」を全車両の中央部に設けられ、さらに 3 号車と4 号車には一人掛け座席も設置されます。
出典 阪急電鉄株式会社
最近はおひとりさまという言葉もあることから、一人でお出かけの人は多いですよね。京都はまた一人旅もよく似合う土地でもあります。
一人で気兼ねなく座れるシートは、観光客だけでなく普段使いの人も含めて競争率も高くなりそうです。
ちなみに上記の画像は 、季節は 杜 若 かきつばた をあしらい夏の京都を感じることができる4 号車になります。
こちらを見てください。とても別料金がかからない観光列車とは思えない細部のこだわりを感じますよ。
出典 阪急電鉄株式会社
左の写真のように 2 号車と 5 号車には車内に「坪庭」を設置します。(画像イメージは2号車になります)
また、右の写真のように 3 号車と 4 号車には、西山の山並みを堪能 できるよう、桜を描いた窓向き座席を設置します。
この座席も競争率が激しくなりそうな座席ですね。この座席で嵐山に到着するなんて最高ですが、基本的には京とれいん雅洛は大阪梅田と京都河原町を結ぶことになります。
ということは京都到着終点は地下ですが^^;
新たな京とれいんの運行について
2編成目となる京とれいん雅洛のデビューは来年2019年3月に予定されていますが、雅洛登場後のダイヤは以下のようになります。
このように京とれいん雅洛と従来の京とれいんが交互に走るような感じになります。
ちなみに京とれいんの様子はこちらを参考に。廃止の噂は本当ではなかったです。
停車駅には要注意です。京とれいんは、2扉のためホームドアが設置される十三では停車せず、十三で乗り降りできなくなります。
出典 阪急電鉄株式会社
「阪急のハブ空港」と称される十三駅に停車しないというのは、阪急も思い切った戦略です。
さすがにこちらの新線ができる頃には、十三駅の重要性がさらに増しますので十三通過はないでしょうが。その時には、きっと新たな京とれいんが登場しているでしょう。
阪急電車は、2019年1月19日(土)初発より京都線のダイヤ改正を実施します。
京とれいん 雅洛の運行開始は、2019年3月(予定)で、ダイヤ改正後から京とれいん 雅洛が運行を開始するまでの間は、快速特急 として一般車両で運行されます。
代替の一般車両運行時でも、京とれいんに関しては十三で乗り降りできなくなりますので注意が必要です。
どんだけスゴい阪急のサービス
京都を感じる雅な車両だけだけなく、さらに素晴らしいサービスを阪急は用意してくれています。
そのひとつがこちらのように、スマートフォンやパソコンで、走行中の列車の前方映像をリアルタイムで見ることができるというサービス。
出典 阪急電鉄株式会社
これ子供や鉄道ファンは喜ぶ人も多いですよね?
もしかして沿線の町並みをチェックする不動産投資家なんかも利用するかもしれませんがw
今では当たり前になりつつある無料もwifiもあり、限りなく快適に京都~大阪間を移動することができます。
これだけサービスが良くて観光列車にありがちな追加料金は一切なし。梅田から河原町までの乗車券片道大人400円で乗車ができます。
JR東京駅から横浜駅までの運賃がICカード利用で、464円であるのと比較するとそのスゴさがわかると思います。
阪急のサービスの良さにはただただ驚きですが、従来の京とれいんは意外なほど空いていました。
新しい雅洛になると座席奪取の競争も激しくなりそうな予感はしますよ。
十三通過はホームドア設置のためだったのですか。合点しました。淡路、桂に停車して、なぜ十三パスか、疑問に思ってましたが、合点しました。
とにかく、昔あこがれた阪急京都線特急(十三―大宮ノンストップ、2ドア、全席クロスシート、特急料金なし)が復活したようでうれしいです。それも豪華にリニュアルして。6両編成なので、座席確保が大変でしょうね。
神戸線や宝塚線から梅田で乗りかえたら、十三ー梅田間の往復運転が取られそうです。今はほとんどなくなった車内改札が復活するかもしれませんね。
無名人様
現在の阪急京都線の速達列車は、昔の十三から大宮ノンストップを知る人からすると、停車駅が少し多いような気がするでしょうか。
京とれいんは2ドアや停車駅の少なさから、往時の記憶がよみがえるそんな列車でもあるのですね。