ホームドアの設置が首都圏の鉄道を中心に進んでいますが、まだまだ多くの駅では以前のままの状態です。
ホームドアの設置には多額の費用がネックとなっているのですが、さらにやっかいなのがドアの位置が異なる車両があることです。
相互直通運転は早くて便利なのですが、ドアの位置がバラバラになってしまう場合があります。
ドアの位置がバラバラでは一般的なホームドアの設置が難しく、ホームドアの設置コストを下げるために鉄道各社も知恵を絞っています。
スマホの普及が進み、QRコードはスマホ社会に切っても切れないものですが、QRコードの技術を使ったホームドアが普及が遅れているホームドアの設置を進めるかもしれません。
QRコードでホームドアの開閉
転落事故防止や鉄道自殺を防ぐためにホームドアの設置を国も推進しようとしています。
ただ、費用面などネックとなるものが多くなかなか普及が進まないのが現状ですが、新しい技術によって普及への大きな扉が開くかもしれません。
QRコード使いホームドア制御 五輪までに実用化
ホームドアの新しい技術は、トヨタのグループ会社デンソーの子会社デンソーウェーブが都営地下鉄を運営する東京都交通局と共同で開発をしました。
新しい技術は、日常生活のおなじみのQRコードを使ってホームドアを制御しようという試み。
この新しい技術を東京オリンピックまでに実用化させようということで、これから運用の検証が行われることになります。
從來のホームドアよりも低コスト
QRコードを使ってのホームドアの制御は、現在の日本のホームドア設置の障壁を取り除く可能性があります。
日本でなかなかホームドア設置が進まないのは、
- 高いコスト
- ドア位置が異なる車両が混在
というネックがあるからです。その他設置工事によって駅の利用空間が狭まることなどがありますが、大きな理由は上記の2点が大きいです。
高いコストですが、ホームドア設置のためにはホームドアそのものの設備の他にも、ホームドアの開閉を制御するために列車とホームの双方に通信機器を設置する必要がありました。
この車両側の通信機器がばかにならないわけです。
首都圏のように高頻度で列車の運行をするためには、数多くの列車編成が必要です。
しかし、QRコードを利用することで列車の通信機器が不要になり、1編成当たり数千万円を削減できることになります。
車両ドアに貼られたQRコードには車両数やドア位置などの情報が盛り込まれ、その情報を基に列車ごとに異なるドア位置に合わせて、どのホームドアを開閉するか判断することになります。
車両ドアに貼られたQRコードをホーム側の装置で読み取ることで、異なるドア位置のホームドアの開閉をするという画期的なシステムです。
日本の駅では例えば京急品川駅のように列車によって、停車位置がかなり異なる駅もありますして、慣れない外国人にとっては何がなんだかわからないでしょう。
京急品川の停車位置、随分分かりやすくなったな… pic.twitter.com/3DXNVBAFZe
— 紳士服 (@shinshifuku_bon) May 8, 2017
都営地下鉄でホームドアが設置されていない路線
都営地下鉄の4路線のうち、都営浅草線と都営新宿線は以前までホームドアが設置されていませんでした。
都営新宿線大島駅からホームドア設置、都営浅草線で新技術の検証も
特に都営浅草線は相互直通運転が盛んに行われ、ドア位置が異なる多くの鉄道会社の車両が乗入れているため、ホームドアの設置の妨げとなっていました。
都営新宿線の大島駅で先行してホームドアが設置され、都営浅草線では将来のホームドア設置のための新技術の検証によって将来のホームドア設置の道が開かれるわけです。
都営新宿線大島駅に設置されたホームドア。運用のための調整や検証が行われることになります。
運用の検証が行われている大門駅の様子
QRコードを利用したホームドアの制御するシステムですが、すでに実用化の目処はたっていまして、本格的な実用化に向けて都営浅草線の大門駅で運用の検証が行われています。
都営浅草線大門駅では1番線ホームの8号車第3扉部分(一番うしろのドア)で運用の検証が行われます。
都営浅草線ホームの一部に設置されたホームドアの様子です。
ホームドアを裏から撮影。ホームドアに設置されている黒い機器がQRコードを読み取る機器と思われます。
車両のドアに貼られたQRコード。このQRコード何だろうと思って読み取る人もいるかも。
QRコードを使った新技術は、ホームドア設置の救世主になるかもしれませんね。今後どれくらい広がっていくのか注目ですね。
[…] QRコードでホームドアを開閉 都営地下鉄大門駅の異なる車両への対応で普及が進むか […]