羽田空港への新しいアクセス鉄道がどうなるかは注目されている人も多いでしょう。
現在鉄道アクセスは、東京モノレールと京急電鉄がありますが、悪くはないのですが乗換が多かったりで少し不満な人も少ないないでしょう。
羽田新線に関しては、以前から様々な計画が浮かび上がってきましたが、まだ現実化していません。
現在、いくつかのルートの建設が計画されていますが、いったいどのルートの空港アクセスとして優れていて、効果が高いのでしょうか?
羽田新線数々の構想ルート
羽田空港へ鉄道アクセスの新ルートの構想は、以前から浮かんでは消え、また浮上するようなものもあり、いまだ着工にも至っていません。
2030年日本の鉄道未来予想図 (洋泉社MOOK)
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主なものとして、次のようなものがあります。
- 東京モノレール延伸
- 都心直結線
- JR東日本羽田空港アクセス線
- 蒲蒲線
それぞれの構想をみていきます。
東京モノレール延伸
東京モノレールは現在羽田空港国内線ターミナルから浜松町までを最速約16分で結びます。
都心までの所要時間は十分に速いですし特に問題はありません。
ただ、終点が浜松町ということで、東京駅など主要なエリアに行くためには乗換が必要になります。
そのため、東京モノレールを東京駅まで延伸して、利便性を向上させるという構想があります。
東京駅までの延伸距離はおよそ3km。JR東海道線の真上に高架をつくる考えです。
羽田空港国内線ターミナルから現在約28分ほどかかるのが、23分に短縮されます。
浜松町の延伸は確かに利便性は上がるでしょうが、所要時間短縮の効果もそれほどではなくそれほど必要性は高く感じられません。
浜松町での他社線との乗換も、上下移動があり決して良いとは言えませんが、それほど悪くはありません。
元々浜松町がオフィスの集積度合いが低かった頃からは、建設の必要性も高かったかもしれません。
しかし、近年浜松町周辺は大型再開発が目白押し。数年後には巨大なビジネス拠点となることを考えると、東京モノレールは浜松町までで十分ではないでしょうか。
都心直結線
「都心直結線」とは、羽田空港から成田空港を結ぶ路線で、押上駅~新東京駅~泉岳寺駅を結ぶルートです。
現在も都営浅草線経由で京急線と京成線を通って、羽田空港から成田空港へ直通の列車は運転をされています。
この都心直結線は、都営浅草線のバイパスのような路線になり、成田空港と羽田空港を1時間弱で結ぶことになります。
成田と羽田をつなぐ「都心直結線」は必要か
国は前向きだが都は消極的、揺れる整備計画
このルートの必要性ですが限りなく低いでしょう。確かに両空港の直通電車は現在1時間40分程度かかり、利便性は高くないです。
しかし、時短効果は30分と大きいですが、都心直結線でも1時間以上かかり、旅行者の負担は依然として大きいです。
両空港をひとつのハブ空港とするのではなく、それぞれひとつの拠点空港と考えるべきです。
それでも路線が必要なら、もっと地方空港を活用すべきでしょう。現在のようなインバウンド需要が全国に散らばるような状況なら、地方空港を活用する方が合理的です。
都心直結線のような時代遅れの発想をしているようでは、海外の空港との競争に完全に敗北するのは目に見えています。
JR東日本羽田空港アクセス線
JR東日本のアクセス線は、羽田空港第1・第2ターミナルの間に「羽田空港新駅」を設けて、既存貨物駅の「東京貨物ターミナル」(東京都品川区八潮3)までを結ぶ約6kmの地下ルート。
東京貨物ターミナルかはそ先は既存線を活用した3方面へのルートを整備して都心部までつなげる構想です。
羽田アクセス総取りか、JR新線3ルートの全貌
JR羽田アクセス線の3ルートの概要です。
出典 日経コンストラクション
首都圏の主要な路線と乗継が容易なJRの新線は、利用者の利便性は高いです。
しかも都心だけでなく「西山手ルート」という渋谷や新宿、さらに埼京線のその先からのアクセスが良くなるのは、経済効果も高そうです。
JR新線は、羽田空港新駅から東京貨物ターミナルまでの6kmの地下区間の建設費がどれくらい必要かは気になります。
しかし、既存の線路も活用できるものも多く、費用対効果も高そうな路線です。
既存の線路の活用例として、浜松町など都心へ向かう「東山手ルート」は、一部東海道貨物線の跡地(大汐線)を利用します。
現在の様子です。
新幹線の車庫線も通っていますが、この辺りは複線区間です。
田町駅付近では単線になります。
蒲蒲線
「蒲蒲線」とは、JR蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ路線です。
蒲田駅には東急多摩川線の地上駅がありますが、東急多摩川線の新たな駅を地下に設け、そこから地下路線で京急蒲田駅までをつなぐ計画が有力です。
800mをつなぐ「蒲蒲線」に期待が集まるワケ
その効果は羽田アクセス強化だけではない
蒲蒲線は、東急を通ってその先東京メトロ副都心線の直通運転も行うことで、より利便性は高まります。
ただ、このルートの問題は、東急の東横線・多摩川線は狭軌、京急空港線は標準軌なので、通常の方法では直通運転をすることができません。
軌間に合わせて車輪の間隔が自動的に変わるフリーゲージトレインの導入などが検討されていますが、技術的に多少の問題はあります。
また、JR蒲田駅と京急蒲田駅の間のたった800m区間の地下化だけで、1000億円を超える高額な建設費もネックです。
蒲田からの乗換で、減収になる京急としては、この路線を積極的に進めたいというわけではないでしょう。
「羽田は便利」と言われますが、それは東京湾岸部や川崎・横浜などからのアクセスは良いです。
しかし、渋谷や新宿、さらに埼玉、武蔵野、世田谷辺りからは鉄道アクセスはあまり良いとはいえません。
その意味では、渋谷や新宿からアクセスが良くなる、JR羽田アクセス線や蒲蒲線の効果は高いです。
ただ、両方を建設してしまうと、いくらなんでも余剰です。羽田空港や日本経済の将来を考えても、この先それほど旅客数の伸びが期待できません。
そこに4つの鉄道ルートは少し余剰。また、外国人などの利用者にとっても、4つのアクセス鉄道は混乱をしてしまいかねません。
また、鉄道ルートだけでなく、巨額の投資をしてつくった首都高速中央環状線などを利用したリムジンバス路線の拡充なども含めて検討する必要があるでしょう。
どの路線が一番効果が高そうかといえば、やはりJR新線かなという感じはします。どれくらいの建設費かにもよりますが。
[…] 羽田新線 どのルートが一番効果が高いのか? […]
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