大阪城天守閣を間近に見える本丸広場には、旧大阪市立博物館だった素晴らしい近代建築があります。
旧大阪市立博物館は、元々は日本軍の司令部庁舎だったわけですが、戦後の昭和35年からは大阪市立博物館として利用されていました。
その後は平成13年に博物館の機能を大阪歴史博物館に移転し、それ以降は閉館となっていました。
新たにこの貴重な近代建築が、大阪城周辺で夜まで楽しめるようなスポットとして再生し利用されることになります。
すでに紹介したこちらも注目です。
近代建築の再生利用として気になる「MIRAIZA OSAKA-JO」のオープンは、今後の近代建築の再生保存などに影響をあたえるのでしょうか?
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旧第四師団司令部庁舎から旧大阪市立博物館
大阪城公園の本丸広場には、「旧第四師団司令部庁舎」の建物があります。
「旧第四師団司令部庁舎」は、昭和6年に建設され、戦後はGHQに接収されたのち、一時期大阪府と大阪市警察本部に利用されてた時期がありましたが、昭和35年からは大阪市立博物館として利用されていました。
重厚な近代建築ですから、軍の司令部、警察本部、博物館とそれぞれ時代ごとにそれぞれの役割を果たしてきたわけです。
現在は平成13年に博物館自体が大阪歴史博物館に移転したので、閉館をしています。その後は大阪城のすぐ側でひっそりと建物自体が存在していたような状況でした。
この貴重な近代建築の再利用の機運が高まったのも、近年の訪日外国人旅行者の増大が大きいでしょう。
もちろん昨年の大河ドラマ「真田丸」の影響も大きかったのですが、大河ドラマの影響は数年だけにとどまりがちですが、訪日外国人旅行者の伸びは今後も継続して期待ができます。
大阪城天守閣の年間入館者数も平成27年度に昭和58年度以来32年ぶりに記録更新し、昨年平成28年も2年連続で最高記録を更新しています。
大阪城天守閣は2年連続で年間入館者数最高記録を更新しました!
ほんの5年ほど前の平成24年がおよそ150万人ほどだった年間入館者が、昨年平成28年が約240万人。5年で100万人近くの伸びを示しています。
大阪城天守閣に入館をしない人や大阪城公園で遊ぶ人を含めれば、もっと多くの人が大阪城周辺に訪れていることになります。
これだけ大阪城周辺を訪れる人が多くなると、新たな施設でさらに集客して、この勢いを保ちたいと考えるのも当然なのかのしれません。
「MIRAIZAOSAKA-JO(ミライザ大阪城)」が今秋オープン
大阪城天守閣の目の前にある旧大阪市立博物館が今年2017年秋に改修オープンをして、集客施設へと変わります。
改修後の名称は、「MIRAIZAOSAKA-JO(ミライザ大阪城)」
大阪の文化や娯楽が集まり、大阪の未来を担っていく場所になって欲しいという思いから、この名称に決まりました。
近代建築遺産の利用については、いろんな賛否両論があるでしょうが、建築物を管理維持するだけでも費用がかかります。
それならば、何らかのにぎわいを創出する施設として生まれ変わって、自らお金を生み出すことができれば、コスト面に関しては維持管理がしやすいはずです。
百貨店の店舗が国の重要文化財に指定されているわけですから、近代建築自体を集客施設に再生し利用するのも、決して建築物の価値を下げるものともいえないでしょう。
ただ、どのような施設にするかは、建物のイメージを損なうことがないようにしなければなりません。
注目はレストラン「THE LANDMARK SQUARE OSAKA」
「MIRAIZAOSAKA-JO(ミライザ大阪城)」に入居するテナントは、現在の所ホームページ上では、土産物販売の「大阪城 本陣」と「忍屋」、カフェタリーズコーヒーが紹介されています。
その他、近日公開予定になっていますが、歴史体験施設がオープンの予定になっています。
一番の注目はなんといってもレストラン「THE LANDMARK SQUARE OSAKA」です。
この注目のレストランは、2F、3F、屋上のルーフトップをリノベーションしてウェディング、レストラン、バー、パーティ、イベントなどで活用されることになります。
完成後のイメージはこんな感じ。
なかなか高級感が漂います。大阪城から少し離れますが、「太閤園」という日本庭園を有する格式のある料亭や結婚式場を有する場所があります。
太閤園にも負けないほど、こちらで食事をしたり結婚式を挙げることはステイタスになる可能性を秘めています。
さらに素敵なのはこちらの屋上のルーフトップレストランです。
天守閣を間近に見ながら、しかも屋外で食事やお酒を楽しむことができるのは、外国人はもちろん日本人にも注目を集めそうです。
[…] 大阪城で夜まで楽しむ試み(2) 「MIRAIZAOSAKA-JO(ミライザ大阪城)」 近代建築を再生利用 […]