アジアとの都市間競争で遅れがちがな日本ですが、ある地域を集中的に整備を促すために考えられたのが「都市再生緊急整備地域」です。
内閣府は都市再生緊急整備地域の新規指定や指定解除、また指定範囲を拡大するなどしてその範囲を見直し案を公表しました。
なお、範囲の見直しは、公表した見直し案への一般からの意見を6月4日まで受け付けた後、今夏までに閣議決定と施行を目指すことになります。
都市再生緊急整備地域の新設
新たに2つの地域が都市再生緊急整備地域として指定されます。
内閣府/都市再生緊急整備地域の範囲見直し/大宮駅と中部国際空港周辺を新規指定
その2つは、
- 「大宮駅周辺地域」(さいたま市、130ヘクタール)
- 「中部国際空港東・常滑りんくう地域」(愛知県常滑市、378ヘクタール)
埼玉では、「さいたま新都心駅周辺地域」(さいたま市 47ヘクタール)が都市再生緊急整備地域に指定をされているものの、大宮駅周辺は指定をされていませんでした。
大宮駅周辺の指定されるエリアはここ。自治体の整備方針によると、主に幅員の狭い道路や老朽建物の更新などを推進するようです。
中部国際空港東・常滑りんくう地域の指定地域は示すほどはないですがここになります。国際交流拠点としての賑わいを創設することになります。
中部国際空港に関しては、少し需要に関して心配があります。需要を喚起するためにいろいろ施策を持つのは良いのですが、さらに2本めの滑走路建設という話しに飛躍すると、明らかに過剰な投資になりそうです。
地元期待のテーマパークも期待はずれであまり良い話しが聞こえてきません。
セントレアの訪日客の取り込みも今後それほど伸びるかは微妙なところでしょう。
来場者低迷、レゴランド隣接店舗が2か月で閉店
都市再生緊急整備地域の範囲を広げる所
すでに都市再生緊急整備地域や特定都市再生緊急整備地域に指定されている場所で、その範囲を広げられます。
範囲が広げられるのはこちらの2つ。
- 「東京都心・臨海地域」(東京都千代田、中央、港、江東各区、1991ヘクタール)
- 「大阪京橋駅・大阪ビジネスパーク駅、天満橋駅」(大阪市、51ヘクタール)
「東京都心・臨海地域」は都市再生緊急整備地域であり、同時に特定都市再生緊急整備地域ですが、新たに兜町や茅場町などの周辺一帯を加えることになります。分かりにくいですが、点線の箇所です。
これによって指定される面積が、1991ヘクタールだったのが49ヘクタール増え2040ヘクタールになります。
一方、「大阪京橋駅・大阪ビジネスパーク駅、天満橋駅」は、現在は京橋駅周辺が指定されていませんが、京橋駅周辺が追加され範囲が広がります。
これによって、51ヘクタールだったのが、68ヘクタールに増えます。
新たに国際的な観光拠点として商業機能や宿泊機能を強化するということなので、新たにホテルなどが建設されてくるのかもしれません。
立ち飲み屋などが林立する京橋駅の東側は指定されていませんが、逆に開発されずにそのまま残るほうがむしろ良いかもしれません。
あの辺りはあれはあれで訪日客にとっては立派な観光資源だとは思います。役人の方々がそこに気づいていないとは思いますが。
都市再生緊急整備地域の指定を解除される所
現在都市再生緊急整備地域に指定されているものの、今回の決定によってその指定を解除される場所もあります。
解除されるのは次の8つの地域。
- 仙台長町駅東(仙台市、46ヘクタール)
- 環状4号線新宿富久沿道(東京都新宿区、8ヘクタール)
- 戸塚駅周辺(横浜市、20ヘクタール)
- 辻堂駅周辺(神奈川県藤沢市、30ヘクタール)
- 東静岡駅周辺(静岡市、51ヘクタール)
- 名古屋千種・鶴舞(名古屋市、24ヘクタール)
- 長岡京駅周辺(京都府長岡京市、8ヘクタール)
- 北九州黒崎駅南(北九州市、58ヘクタール)
都市再生緊急整備地域に指定されるメリット
都市再生緊急整備地域に指定されることで様々なメリットがあります。
都市計画は本来行政が行うものですが、これを事業者が自ら計画し、行政に提案することができます。
また、許認可の迅速化によって迅速な再開発を可能にしたり、既存の容積率を緩和することで超高層ビルを建設しやすくなります。
さらに、税制の優遇などの措置や、財政支援、金融支援もあり、事業者が投資しやすい環境を整えるようにしています。
[…] 都市再生緊急整備地域の範囲を見直しへ 新規指定や指定解除は? […]
[…] 都市再生緊急整備地域の範囲を見直しへ 新規指定や指定解除は? […]
[…] 都市再生緊急整備地域の範囲を見直しへ 新規指定や指定解除は? […]
[…] 都市再生緊急整備地域の範囲を見直しへ 新規指定や指定解除は? […]
[…] 都市再生緊急整備地域の範囲を見直しへ 新規指定や指定解除は? […]