奄美大島は2018年夏にユネスコの世界自然遺産登録を目指しています。
日本の2018年の世界遺産候補に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が選ばれています。
近年日本の世界遺産登録が相次いでいますが、どれも世界文化遺産ばかりという状況。
奄美大島などが世界遺産に登録されれば、久しぶりの世界自然遺産登録ということになります。
世界遺産に登録されるかどうかはまだまだわかりませんが、その前に奄美大島と屋久島を結ぶフェリーが就航しようとしています。
将来世界自然遺産を結ぶ航路となる可能性があり、船で二つの島へ訪れることが世界でも注目されるかもしれません。
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奄美大島と屋久島を結ぶアクセス
奄美大島も屋久島も鹿児島県ですから近くにあるとイメージする人もいるでしょう。
同じ鹿児島県といっても、両島の直線距離はおよそ250kmも離れており、それだけ地元の人などが両島を行き来するというニーズがありませんでした。
250kmといえば東京から名古屋ぐらいの距離ですからいかに距離が離れているかがわかると思います。
そのため奄美大島と屋久島を両方観光するのは、例えばいったん屋久島から鹿児島へ行って、また鹿児島から奄美大島に行くとう面倒なことになります。
奄美大島は世界自然遺産登録を目指している
奄美と屋久島の間は距離も離れていますし、アクセスする航路がないため、あまり人が行き来することはありません。
しかし、最近は訪日外国人旅行客が増え、全国各地の多様なものを見て回る人が増えているため、屋久島も奄美大島も一度の滞在で見て回りたいという潜在的なニーズはあるはずです。
さらに奄美大島は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」として世界自然遺産の候補になっています。
もし奄美大島が世界自然遺産になれば、より多くの人が奄美に訪れるでしょうし、同じ世界自然遺産に登録されている屋久島と同時期に周遊旅行を楽しみたいという人もたくさんでてくるはずです。
世界遺産の登録の可能性は?
奄美大島は徳之島、沖縄島北部、西表島などとあわせて世界自然遺産として登録を目指しています。
奄美大島から南の西表島までですからかなり広範囲に渡っています。
世界自然遺産というとダイナミックな造形美などを想像するかもしれませんが、奄美大島などが世界遺産候補になったのは、島ならではのその独自の生物の進化です。
独自の生物の進化によって世界自然遺産に登録された例は世界でもあり、例えばダーウィンの進化論で有名なガラパゴス諸島、タスマニアデビルで有名なオーストラリアのタスマニアがあります。
日本でも「東洋のガラパゴス」と呼ばれる小笠原が世界自然遺産に登録されていますね。
世界自然遺産に登録されるためには、世界遺産としての顕著で普遍的な価値が認められる必要がありますが、奄美大島などに生息する珍しい動物たちにその価値が認められるかがポイントのひとつです。
奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島に生息する珍しい動物たちです。
奄美大島と徳之島だけに生息するアマミノクロウサギ。
アマミノクロウサギ
奄美大島と徳之島にだけ生息するウサギ。 耳や後ろ足が短く、原始的なウサギであると言われている。 生息地の減少や、ハブの駆除用に放たれたマングースが、ハブそっちのけでこの種を捕食しており、現在は絶滅に瀕している。 pic.twitter.com/ZFUOsBp4PQ— 絶滅危惧種リスト@相互中 (@redlist_follow) December 12, 2017
沖縄のやんばる地域(沖縄本島北部一帯)のみに生息するヤンバルクイナ
【NHK BSプレミア】ワイルドライフ選「沖縄 亜熱帯の森 駆けのぼれ!ヤンバルクイナ」6年ぶりの放送です。沖縄のやんばる地域にしか存在しない絶滅危惧種です('8') #ヤンバルクイナ #ワイルドライフ #鳥 #沖縄https://t.co/Bj8TMZ95ek pic.twitter.com/T79PH9P2i1
— ことり情報局('θ') (@piyopiyo31840) September 15, 2017
沖縄本島と奄美大島の固有種イシカワガエル。
"イシカワガエルは沖縄本島と奄美大島の固有種。県の天然記念物で、日本で最も美しいカエルとも呼ばれ体長10~12センチに成長する。"「絶滅危惧種、しかもまれな青い個体 オキナワイシカワガエルを小学4年生が発見」 https://t.co/DZSFRShQWd
— 喜山 荘一 (@soichi_manyu) November 3, 2016
西表島のみに生息するイリオモテヤマネコ。
イリオモテヤマネコは西表島に100頭しか棲息していない絶滅危惧IA類です。
そしてイリオモテヤマネコのよん君は15年も生きながらえたご長寿さんでした。 pic.twitter.com/mJmm3dWrlt— 西表島さとうきび生産組合事務局 (@iriomotekibi) December 12, 2017
いづれも絶滅危惧種に指定されていて、世界自然遺産に登録されても貴重な生態系を守っていく必要があります。
奄美大島と屋久島を結ぶフェリーでより魅力ある旅が実現
奄美大島と屋久島を結ぶ航路や空路は今までありませんでしたが、奄美大島が世界自然遺産に登録されるかもしれないという来年2018年3月のタイミングで両島を結ぶ航路が実現します。
奄美大島―屋久島 初の航路開設/来年3月からマルエーフェリー
マルエーフェリーの沖縄と奄美大島、鹿児島を結ぶ定期船「フェリー波之上」が沖縄~奄美大島から鹿児島へ向かう途中に屋久島に寄港することになります。
航路は来年3月から試験運行をされ定期化するかの判断をします。
LCC+フェリーの旅
現在沖縄本島や鹿児島空港へは国内線・国際線とも数多くのLCC(格安航空会社)が就航をしています。
奄美大島にも成田と関空からバニラエアが就航をしています。
屋久島にはJALなどが就航をしていますが、LCCはまだ就航をしていません。そのため特に繁忙期にはあまり運賃が安くありません。
沖縄から奄美大島と屋久島~鹿児島を結ぶフェリーが実現することで、LCCとフェリーを使うことで奄美や屋久島の自然を堪能する旅が実現することになります。