南海なんば駅は関空へのアクセスのゲートウェイとして訪日外国人旅行客で賑わっています。
南海なんば駅を降りるとすぐに空き地がありますが、長い間再開発もされることもなく、放置されたもったいない状態でした。
空き地は元小学校の跡地になりますが、ここにいろんな経緯がありましたが、家電量販店のエディオンが旗艦店を建設することになっています。
最近の商業施設は訪日外国人を意識する場合が多いですが、難波は特にその傾向が強く、この場所に大型家電量販店は様々な方面に影響を与えそうです。
旧精華小学校跡地の再開発
南海なんば駅からすぐの現在のなんばマルイの隣の位置にはかつては大阪市立精華小学校がありました。
まぎれもない難波の一等地に小学校なんて今では考えられないですが、昔はそのような例がけっこうあります。
1873年(明治6年)に開校をした精華小学校ですが、地元の有志により開校したことや浪花の喜劇王故藤山寛美さんの母校であることでも有名です。
かつての精華小学校はこんな素晴らしい近代建築でした。場所が都心の一等地でなければ建物を生かした活用がもっと進められていたかもしれません。
旧大阪市立精華小学校/増田清 – その他の建築物・データと写真 https://t.co/dcYD7X7taK… pic.twitter.com/nEEpBedUMc
— khiikiat (@khiikiat) May 6, 2017
20年ほど前に閉校した後、しばらくは校舎を生涯学習ルームや小劇場として活用されていましたが、財政難の大阪市が民間に売却をしました。
精華小学校は解体され、当初はホテルを核とする複合施設が建設される予定でしたが、地元住民との軋轢もあり計画が頓挫し、しばらく更地の状態が続いていました。
しかし、今年2017年4月に家電量販店大手エディオンが旗艦店を建設することを表明し、建設が進められようとしています。
現場の現在の様子
現場ではタワークレーンがすでに現れています。なんばマルイのすぐ隣の好立地であることがわかります。
建築計画です。高さ60mほどのビルになります。敷地面積が4,200㎡ほどありますので、もっと大きな複合施設が建設されると思っていましたが意外です。
建物のデザインを拡大してみます。旧精華小学校の歴史を伝えるモニュメントや外壁を取り入れる方針です。
敷地に対して建設面積はある程度余裕があり公開空地が設けられることになっています。
プロジェクトの名称は「(仮称)中央区難波3丁目新築工事」。施工は三井住友建設になります。
すぐ目の前にはスイスホテル南海大阪や建設中の新南海会館ビルが見えます。
スイスホテル南海大阪は建設の様子をツイートもしています。集客力のある家電量販店ができることでホテルとしては、歓迎の気持ちもあるでしょう。
お昼間、35Fに上がった時に気付きました。
精華小学校跡地の開発が進んでいますね。
T pic.twitter.com/1xZGDIGPKW— スイスホテル南海大阪(公式) (@SwissotelOsaka) September 12, 2017
家電量販店とネット通販
家電量販店の勢いは以前ほどはなく、最近はアマゾンや楽天などのネット通販に押され気味です。
安値競争では店舗を持たないネットが有利で家電量販店は苦心しています。
実店舗で購入すると実際に品物を手にとってみることができるメリットなどもありますが、今後も厳しい価格競争の波に家電量販各社はさらされることになります。
難波に家電量販店が集積
難波周辺には千日前にビックカメラと南海なんば駅の南にヤマダLABI難波があります。さらに少し歩くと日本橋の電気街がありジョーシンなどの店舗もあります。
すでに家電量販店が過当競争のような状況ですが、ここにエディオンの旗艦店ができるわけですから現状ですと供給過剰ではないかと思われます。
そんな難波周辺の状況ですが立地的にはなんば駅からすぐのエディオンが優位と思われます。
道頓堀に近いビックカメラも良いのですが、問題はLABI難波。ミナミで人が集まる場所とは反対の位置にあるため、今後の業績の悪化が心配ですね。
難波は訪日外国人次第か
大阪難波にある高島屋本店など商業施設は一時期売上が厳しい状況に置かれていました。
ただ、最も厳しかった一つである百貨店の業績が訪日外国人旅行客の爆買いや免税店売上の上昇によって回復をしています。
こんな景気の良いニュースも流れてその好調ぶりが目立ちます。
高島屋3~8月売上高、大阪店が数十年ぶり1位 免税品好調
高島屋は日本橋店、横浜店、新宿店などが高い売上を誇りますが、大阪の本店が数十年ぶりにトップにたったことで、いかに訪日外国人旅行者の恩恵を受けたのかがわかります。
難波・心斎橋のミナミは外国人旅行客に人気で、今後もますますその人気が高まるものと思われます。
ミナミの街を歩けば日本人以上に外国人が目立ちますが、新しくできるエディオンの旗艦店も外国人旅行客次第といっても過言ではありません。
ここで買い物をして、すぐ電車に乗って帰国できるメリットもありますし、大阪や日本全体を考えると良い出店ではないかと感じます。