朝の通勤地獄なんとかならないの?
時には身動きもとれないような通勤ラッシュの車内で、会社につく頃には身も心も疲れ果ててしまうなんてこともあるでしょう。
あらためてこんな感じの人の波を見ていると、毎日毎日、仕事以外で余計な体力を使っていることに気づきます。
すごい人の流れ@品川
時差BIZどこまで効果が出るか。https://t.co/vA8Pf95BqT pic.twitter.com/g9MURR8dzw— 荒川 誠 (@macfreedom) July 10, 2017
そんな状況を変えるため、東京の朝の通勤ラッシュを緩和する施策として、7月11日から「時差biz(ビズ)」が始まりました。鉄道会社を中心に様々な企業が参加しての船出です。
小池都知事は、就任前に「通勤ラッシュゼロ」を掲げ、実現が限りなく不可能に近い構想も掲げていましたが、時差bizは現実的な方法ではあります。
ただ、時差bizはまだまだ一般への周知が不足しているし、その効果に関しても期待はずれに終わるのではないかという懸念もあります。
「時差biz」への取り組み
東京都が提唱する「時差biz(ビズ)」。
数年前「クールbiz」を試みた際は、一定の成功をおさめ、社会を大きく変えました。また、クールビズを対象とした新たなビジネスも登場し、うれしい経済的な効果もありました。
今回の「時差biz(ビズ)」も、クールビズの再来のように、東京都はいろんな効果の青写真を描いているはずです。
その取組にどのようなものがあるか、代表的なものをピックアップして紹介をします。
東急の「グッチョイモーニング」
“グッチョイ”とちょっと聞き慣れない名前ですが、英語で「good choice」(グッドチョイス)を短縮。良い選択という意味です。
グッドチョイモーニングは、
- 午前6時台に臨時特急列車「時差Bizライナー」(田園都市線)を、7月11~21日の期間限定で運行
- 電子クーポン「グッチョイクーポン」を配信
という方法で早朝にできる限り通勤を分散させようとする試み。クーポンは東急ストアや東急百貨店などの東急グループ会社のサービスが中心。
東急田園都市線の朝のラッシュの酷さはかなり深刻。東急は様々な方法で、田園都市線の混雑緩和に努めています。
東京メトロ「時差bizトレイン」
東京メトロは、東西線と半蔵門線で期間限定で臨時列車「時差bizトレイン」・「時差bizライナー」を運行します。
東西線が「時差bizトレイン」。6時台に臨時列車を西船橋発九段下行快速列車 1 本、妙典発九段下行各駅停車 1 本を増発。
西船橋方面でも6 時台に「時差Bizトレイン」として、九段下発西船橋行各駅停車 1 本を増発。
「時差bizライナー」は東急田園都市線から半蔵門線への直通運転の列車。6 時台に中央林間発押上行「時差Bizライナー」1 本を増発。
メトロの東西線と田園都市線というラッシュ時の混雑が酷い路線での取り組み。鉄道会社としても汚名返上して沿線価値を高めたいという狙いもありそうです。
時差bizのある程度の効果はあったようで、ネットではこんな声が上がっています。
朝の電車がいつもより混んでるって思ったのは「時差ビズ」とやらのせいなのか・・・早くしてた側からしたらただの迷惑。
— カオリン (@caoreeen) July 11, 2017
すでに意識が高く時差通勤を自ら行うことで、自分の時間を創り出している人はたくさんいます。そんな人達にとっては、少々時差bizは迷惑のようです。
こんなツイートもあり、臨時列車の効果は、それほど高くはなさそうです。
本日は、東西線「時差Bizトレイン」に西船橋→浦安・葛西→南砂町→西船橋で乗車しました。乗車は比較的少なく、西船橋発車時点で一部に空席が見られる程度でした。
2日間を通じて東西線の混雑状況を見てきましたが、6:30を境に混雑が激化する状態になっており時差通勤の効果が期待されます。 pic.twitter.com/7y3UqMgoSf— Fuji-Tetsu (@Fuji475_A19) July 12, 2017
電鉄会社の取り組みは、7時~8時台のラッシュの時間帯に多少の混雑緩和はもたらすでしょうが、不快な通勤ラッシュが多少緩和される程度でしょう。
根本的な働き方の改革、例えば自宅などで働き、通勤がなくなるテレワークなどの導入はそれほど進んでいません。
第一生命がテレワークや時差出勤の制度を開始したというニュースもありますが、多くの企業が従来の働き方のまま。抜本的な改革には程遠いという状況です。
こんなネガティブな意見も。
時差Biz、プレミアムフライデーの二の舞のごとく定着しないだろうなぁ。#ns954 #tbsradio
— hi-channel! (@hichannel) July 9, 2017
テレワークのような働き方もですが、働く拠点をどんどん分散化させることも必要。こちらは逆に東京へますます集中するような傾向です。
公共交通機関に頼らない通勤
電車やバスのような公共交通機関に乗車しなければ、酷いラッシュからは解放されます。
ただ、だからといって自家用車での通勤は、都心部への交通渋滞をさらに引き起こし、さらに深刻な問題になるでしょう。
そこで注目したいのは、そもそも通勤が徒歩などで可能な「職住近接」と「自転車通勤」。
職住近接なら、そもそも酷いラッシュを避けることができます。ただ、都心部の住居の賃料などは割高になるので、所得によっては難しい人も。
郊外や全国各地に職場がもっと分散できれば、あちらこちらで“職住近接”が実現するのでしょうが(^_^;)
自転車通勤は、例えばロンドンの通勤時間の様子。
かなりの自転車通勤の姿が見られます。ロンドンのように広い自転車道を整備するのは、すぐには難しいでしょうが、長期的には絶対に自転車を活用するのが良い。
そのためには、安全に走れる自転車道の整備も必要ですが、
車中心にしか考えられないドライバー、歩行者と同等程度位の認識の自転車に乗る人。こんな人達が大多数。まずはこの人達の意識改革が必要で、道のりは厳しいです。
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