沖縄県のスーパー最大手サンエーが、浦添市西海岸で沖縄最大級の複合商業施設の建設を計画しています。
サンエーはファッションビルのPARCOを展開するパルコと提携をし、新会社「サンエーパルコ」を共同で設立。新しい複合商業施設の運営に乗り出すようです。
2019年夏のオープンを目指しますが、計画が順調にいくと、沖縄県にPARCOが初進出することになります。
投資総額が約400億円のビッグプロジェクトですが、その成否が気になるところです。
「サンエーの浦添西海岸計画」
沖縄県の小売最大手のスーパーサンエーが進めている「サンエーの浦添西海岸計画」は、沖縄県内最大級の商業施設を建設するビッグプロジェクトです。
その工事が7月6日に着工し、その開業がいよいよ現実化し、開業が一歩一歩近づいていきます。
サンエーはあのパルコと合弁会社を設立し、新しい複合商業施設に関してこんなプロモーション動画もつくっています。
日本は人口減少社会に突入しています。
首都圏の他には愛知県と沖縄県だけが人口が増えていますが、その他の都道府県は人口が減っています。
日本の人口1億2558万人 過去最大の前年比30万人減
中でも沖縄県だけが、出生者数が死亡者数を上回る自然増。東京をはじめとする人口が増えている都道府県でも、他府県などからの流入によって、人口が増えているだけの状況です。
さらに、沖縄では国内や海外からの観光客も増えており、今後航空インフラがもっと整えば、アジアから近いという好立地を考えると、ますます訪日外国人旅行者も増えていくという期待も持てます。
人口減少社会の日本の中で、貴重な成長が見込める市場が沖縄。その沖縄に近年は様々な開発計画が生まれ、そして中には消えていくものもありました。
ところで、「サンエーの浦添西海岸計画」ですが、沖縄の地理にあまり詳しくない人は、「浦添ってどこ?」という疑問を持つでしょう。
「サンエーの浦添西海岸計画」の計画地
浦添は那覇と違って、県外や海外から訪れる人にとっては、ちょっと不便ではないかというイメージを持つ人もいるでしょう。
確かにゆいレールのような鉄道アクセスがありませんので、一見不便に感じるかもしれません。
しかし那覇空港から計画地までは約9mしか離れておらず、2018年に湾岸道路が開通することで空港から車を使ったアクセスは、たったの15分程度。
出典 株式会社サンエーパルコ
計画地に隣接するコースタルリゾート地区では、ビーチやリゾート施設がつくられ、たくさんの人を集つまる期待が持たれます。
さらに新しい大型客船バースも計画されているので、主に外国人観光客のクルーズ船寄港の期待も持てるという将来性が有望な立地になります。
埋め立てを行う浦添のコースタルリゾート地区は、沖縄の貴重な自然を破壊しなかいどうかの、心配はありますが(^_^;)
「サンエーの浦添西海岸計画」商業施設のフロア構成
サンエーパルコが手がける新しい商業施設は、沖縄県初出店のテナントなどが入居する計画で、より都会的な商業施設を目指しています。
どのようなテナントが集まるかはまだ未定ですが、今までの沖縄の商業施設とはその物珍しさで差別化していこうという戦略でしょうか。
フロア構成はこんな感じ。
出典 株式会社サンエーパルコ
1Fが生活に密着したデイリーユースのフロア。
食料品や飲食店、さらに集客力があるテナントなどが入るのでしょうか。
2Fはファッションのフロア。
主にファッションの専門店が入る計画ですが、パルコと合弁した効果がこのフロアに出てくるでしょう。
また、イベントスペース「ギャザリングコート」もつくり、賑わいを創出します。
3Fは海が見えるレストランや沖縄県最大級のシネマコンプレックスという集客を促すフロア。
地元の人だけでなく、県外の観光客や外国人観光客を意識したテナントを揃え、新しい沖縄の中心地を目指す考えです。
沖縄の既存の商業施設との争い
サンエーパルコが計画する新しい商業施設は、沖縄県最大級になる見込みですが、既存の商業施設との争いはどうなるのでしょうか?
最大の競合は、2015年4月にオープンした同程度の規模を誇る「イオンモール沖縄ライカム」でしょうか。
沖縄県の主な商業施設です。
出典 株式会社サンエーパルコ
ただ、立地的には浦添西海岸のほうが優れています。特に観光客や外国人観光客にとっては。
空港からの利便性や、目の前がビーチという好条件ですから。
パルコという強力なタッグも組めたので、地元の人の期待も大きいでしょうし、当初は特に話題性もあるでしょう。
サンエーパルコが新しいポジショニングで挑む新しい商業施設、沖縄で一人勝ちとなるのか、それとも既存の商業施設との激しい争いになるのか?
沖縄に新たな流通戦争が勃発する予感もします。