関西3空港懇談会が12月24日に8年ぶりに開催されました。

 

以前までなら経営不振の関西空港をいかに保護するかの様相がありましたが、その流れが訪日外国人旅客数の増大によって、完全に様変わりをしています。

 

ただ、驚異的な旅客数の伸びを示していた関西空港も、台風による高潮の被害にあって、あらためて3空港の役割分担が問われてきています。

 

今回行われた関西3空港懇談会で出た要望から、今後の3空港の進むべき道を考えてみました。

 

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関西3空港懇談会が8年ぶりに開催

 

関西、伊丹、神戸の3空港が果たす役割について自治体や地元自治体などが話し合いを持つ「関西3空港懇談会」が12月24日に開催されました。

 

長らく関西3空港懇談会というニュースを見聞きしませんでしたが、開催は実に8年ぶり。前回の開催は2010年4月です。

 

当時の関西空港ですが、2009年の旅客数が1500万人を割り込むような低迷の時期で、なんとか関西空港を低迷から脱却させるかが大きな論点でした。

 

それが現在では関西空港は発展を遂げ、旅客数は当時の倍以上の年間3000万人にも迫ろうかという勢いです。

 

 

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台風21号の被害で成長が鈍化

 

高度成長を維持する関空でしたが、その成長を鈍化させたのが台風21号による被害です。高潮による第1ターミナルの浸水や、連絡橋にタンカーが衝突し一時は完全に機能不全に陥りました。

 

奇跡的なスピードで復旧するものの、関空の成長は以前と比べるとやや鈍化してきています。

 

 

関空の代替として伊丹や神戸に国際線就航が議論

 

関空が機能不全に陥った際に議論されたのが、伊丹や神戸に国際線を代替的に就航させるという議論です。

 

一時は復旧の見通しが立たないため、伊丹や神戸に国際線がそれぞれ臨時で就航する寸前までいきました。

 

しかし、関空の復旧が予想以上に早かっため、結局は両空港に国際線を就航することはなく、関空の危機管理を今後は運営会社も重視することになりました。

 

 

関西3空港懇談会での要望

 

関空が今年のような台風の被害も再度起こる可能性もありますし、南海トラフ巨大地震のリスクもありますから、関空の危機管理は重要です。

 

そんな背景もあり、伊丹や神戸の運用拡大や国際線就航が解禁に関して、マスコミを中心に騒がれていました。

 

実際に各空港からは以下のような要望が出ています。

 

伊丹空港

  • 定刻から遅延した便が運用規制の21時を過ぎても着陸できるよう弾力運用
  • 旅行会社などが企画する国際チャーター便の解禁

 

神戸空港

  • 運用時間の拡大(現在7時~22時の運用規制を朝1時間、夜2時間延長)
  • 1日60便の発着枠を2倍の120便に拡大
  • 旅行会社などが企画する国際チャーター便の解禁

 

関西空港

  • 環境アセスメントで年間23万回とされた発着回数の上限引き上げの検討

 

 

インバウンドが地域経済に与える影響を考えると、空港の周辺自治体は国際線就航を望む声が多くなります。

 

 

関西3空港の進むべき道を考えてみた

 

関西3空港の懇談会での要望を見て、都市生活ラボでも3空港の将来を考えてみました。

 

伊丹空港

 

伊丹空港は運用規制の弾力ある運用にとどまらず、運用時間を拡大すべきでしょう。成田空港は羽田が国際線を拡大する中、大幅な運用時間拡大を行おうとしています。

 

伊丹は都市中心部に近いため、成田のような大幅には運用時間の拡大は難しいかもしれませんが、せめて朝1時間、夜1時間の拡大は行うべきでしょう。

 

国際線の就航に関しては、入出国のための審査官や税関などの職員を配置することはあまり効率的とはいえず、必要性は高くありません。

 

現在のように国内線専用空港として、リニア中央新幹線が大阪に延伸する際には廃港、もしくは小型機だけの就航でB滑走路は閉鎖。1828mのA滑走路のみで縮小して運用。

 

羽田便がかなりのウェートを占める伊丹空港ですから、リニアが大阪まで開通をすれば飛行機で東京と大阪を移動する人はますます減るでしょう。

 

となると、大型機のほとんどは羽田便ですから、廃港をして神戸や関空に国内線を振り返る。または、小型機・他頻度運行で維持するのも方法です。

 

阪急の伊丹空港線構想もありますし、伊丹空港の存続を前提としているはずなので、廃港となると必要性が低くなりそうです。

阪急が伊丹空港線構想 梅田から大阪空港への直通電車は誕生するか

 

小型機の騒音レベルはそれほど高くないので、今よりも運用時間の拡大をすることのハードルは下がるでしょう。6時~23時の運用時間も大丈夫ではないでしょうか。

 

 

神戸空港

 

神戸空港でまず行うことは運用時間の拡大と、発着規制を緩和し懇談会で要望があったように1日120便程度の発着枠は認めるべきでしょう。

 

ただ、神戸空港はたしかに神戸の都心からはポートライナーで近いですが、周辺からの鉄道アクセスは、ポートライナーの乗り換えを要するため、それほど便利だとはいえません。

 

そのため、発着枠を拡大したとしても、それほど大幅に便数が増えるかどうかは微妙なところかもしれません。

 

いづれにしろ旅客数が増えすぎると現在の小さなターミナルのキャパシティの問題や、現在でも混雑が酷いポートライナーのアクセスの問題もあります。

 

中長期的には伊丹の廃港も絡んできますし、関空のバックアップも必要ですから現在の貧弱なターミナルを拡大して、1000万人程度の旅客数を目指すべきでしょう。

 

国際線に関しては、伊丹と同様に入出国のための審査官や税関などの職員を配置することはあまり効率的とはいえず、必要性は高くありません。

 

羽田と金浦、上海虹橋、台北松山などビジネス利用を考え、都心アクセスが良い空港同士を結ぶ路線開設も望まれますが、それなら神戸よりも伊丹の方が航空会社は望むはずです。

 

神戸空港も基本的には国内線専用で、リニア新幹線大阪延伸が近づく頃にはターミナルなどを拡大して伊丹の廃港や縮小の受け皿にすべきでしょう。

 

 

関西空港

 

関西空港が台風21号の被害によって飛行機が就航できない状態になったとき、あらためて基幹空港である関空の重要性が明らかになりました。その影響は地元にとどまらず全国にも波及をしました。

 

観光立国を重要な国策としている以上、今後も関空の重要性は増すばかりです。IRや万博開催などを考えると、今よりも大幅な旅客数拡大が見込まれます。

 

まずは懇談会で出た要望のように将来の発着回数の拡大を探ることは行うべきでしょう。

 

また、中長期的には現在のターミナルでは許容を超えるでしょうから、メインターミナルに続くフルサービスキャリアも利用するターミナルを建設すべきでしょう。

 

なにわ筋線も建設されることになり、従来の遠くて不便という悪いイメージも解消されつつあります。少なくとも外国人はそれほど不便だとは感じていないはずです。

 

関空アクセス「なにわ筋線」の将来 訪日外国人旅行客数は今後も増え続けるのか

 

海上空港のため災害などの心配もたしかにありますが、今以上航空便を関空に集約して、乗り継ぎ利便性などのネットワークのレベルをアップさせるべきです。

 

具体的には年間旅客数が現在の倍程度を目指すべきで、年間5000万人~6000万人視野にいれるべきです。

 

現在のクアラルンプール、台湾桃園などと同規模くらいになるのですが、都市規模を考えると十分な需要はあるのではないでしょうか。