方南町駅は長らく丸ノ内線の支線の駅であり、地下鉄の中では全国で最も短い3両編成の車両が行き来するだけの路線でした。
東京23区内でしかも比較的都心中心からの距離もさほど遠くない位置にもかかわらず、まるで田舎の電車のように車両数がたった3両だけということもあり、存在感はとても薄いです。
東京に住む地元民でも、「方南町ってどこ?」という感じで駅の存在を知らない人も少なくありません。
“23区内の秘境”とも揶揄される千代田線の北綾瀬駅と同じく都心の駅なのに、ローカル線の駅の雰囲気が漂う方南町駅周辺が改良工事によってガラッと変わるかもしれません。
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丸の内線の支線
まず皆さんは丸の内線といえば何を思い浮かべますか?
やや古い2015年の調査ですが、「住むならどこ? 東京・地下鉄沿線ランキング」でトップを獲得するほど、その良いイメージを持っている人も多いです。
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— Jタウンネット編集部 (@jtown_net) November 19, 2015
日本を代表するビジネス街の丸の内という名称通リ、丸の内が途中にあり池袋から新宿へつながり山手線の内側をぐるっと回る路線としてのイメージが強いと思います。
さらに、丸の内線は新宿から先は、荻窪辺りまで伸びているのですが、今回訪れた方南町駅はその荻窪方面から外れて中野坂上駅で分岐する支線の終着駅です。
こちらの路線図を見ると、方南町の位置が分かりやすいでしょう。
新宿までそれほど遠くない便利な立地であることがわかると思います。
池袋、新宿へ直通へ
そんないかにもローカル感が漂う方南町駅ですが、今ある3両分のホームから6両分のホームに延長されます。
ホーム延長により通常の6両編成の丸ノ内線が直通できることになり、池袋から直接行き来が出来るようになります。
さらにホームの延長の加えて駅の改修工事も進めているので従来の駅の雰囲気がガラッと変わります。
方南町駅というと、これまでは営団地下鉄だった頃からの雰囲気を受け継いできています。
民営化から約14年経った今、「ローカル路線のような駅」から、名実ともにメトロの駅としての駅に生まれ変わります。
工事の進捗状況
ホームの様子です。以前は天井が地下鉄の駅の中では異様に高く、おまけに架線のない丸の内線では天井の高さが目立っていました。
改良工事によって、空調設備が更新され天井も少し低くなってしまい、ちょっと圧迫感を感じます。
出入り口付近の様子です。まだホームの延伸工事など完全には終わってはいないのですが北綾瀬駅とは異なり出入口付近の改修工事も進んでいました。
現在は片方の乗り場だけ機能しておりもう片方の乗り場は改修工事中になっています。今現在稼働しているホームは以前に改修工事が済んでいるので、真新しくキレイです。
駅の規模も小さいため、改札の数は少ないです。またこの付近の改修工事はあまり進んでいません。
現在工事中により半分見えなくなった電光掲示板です。途中で途切れてしまっているためどこ行きなのかよくわかりません(笑)
中野に行くのかにも見えます。
方南町駅を出ると目の前には“混雑する道路”として有名な環七通りがあります。環七通りが通っていることもあり、駅前は“ローカル駅”の雰囲気はあまりなく、人通りも車通りも多いです。
車では比較的便利ですが、乗換なしの都心直通になり、電車でここに行きやすくなったら、より便利になります。
方南町駅の隣の中野富士見町駅の様子です。こちらは6両編成の電車が停車中です。
この駅は支線の駅ですが6両編成の車両が通れるように対応しており朝夕を中心に池袋からの電車が直通してきます。
つまり方南町駅は今までたった一駅だけ6両に対応していなかったため3両編成の電車しか来なかったわけです。
方南町駅のホームの短さのため、今までの運用の仕方はとても効率が悪かったわけです。
そしてこちらは3両編成。車両の端から端までがカメラに収まります。
このように方南町の隣の駅までは6両編成が来るわけです。
そしてこちらは今東京メトロで次々と導入されている新型の電光掲示板です。
丸ノ内線でも導入されることは決まっているのですが、支線も例外なく導入されるため、その準備も進んでいます。
こちらの北綾瀬駅の様子でも新型の電光掲示板が導入されています。
以前の記事のような北綾瀬駅もそうですが、方南町駅含めこういった小規模の車両しか来ない路線は利用者が少ないと思われがちですが決してそんなことはありません。
実は方南町駅の一日の利用者数は約37000人にも上ります。都心部の駅でも方南町と同じくらいの利用者数の駅はそれなりにあります。
方南町駅にも、他の本線の駅とと同じく都心部らしい車両、都心部らしい本数を確保してもそれに見合います。
方南町駅の利用者数は年々増加し続けているので、ホームを延長して都心直通電車が走ることを機に魅力的な街と駅へとさらに変貌するはずです。
現在の所、それほど目立った大きな開発計画はありませんが、今後はその立地の良さから街が劇的な変化をするかもしれません。