首都高速の日本橋周辺(竹橋~江戸橋間)の地下化をめぐる議論は、いったんは現状のまま大規模修繕で対応することで決着をしていました。

 

しかし、今年になって突如再び首都高の日本橋周辺を地下化することが浮上しています。

 

ただ、問題なのは巨額の事業費。

 

わずか3km足らずの区間の改修工事だけで約5000億円の事業費が見込まれています。

 

国や自治体の借金で財政状況が深刻な日本ですが、増税や社会保険料の増大でますます家計は苦しくなっています。

 

老朽化で首都高の改修工事が必要なことは間違いがないのですが、日本橋の景観と巨額の事業費を天秤にかけると、どうしても地下化が必要かどうかは疑問です。

 

現在でも日本橋にはクルーズ船が行き交いますが、日本橋の景観はそれほど酷いものではなく、もしかして逆に今でも魅力的なものはあるかもしれません。

 

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首都高速の日本橋周辺の地下化の必要性

 

首都高の竹橋~江戸橋間を地下化すべきかどうかの議論は、今に始まったわけではなく20年ほど前からありました。

 

首都高は建設から50年ほど経つ区間もあり、首都直下型地震のリスクもありますし、順次改修する必要はあります。

 

ただ、その改修の費用は莫大で、そこに加えて竹橋~江戸橋間を地下化するとなると、改修費はさらに跳ね上がります。

 

そしてその費用は、首都高速道路の収入で賄われるわけではなく、国や自治体の税金が投入されます。

 

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首都高だけでない高速道路の改修工事

 

老朽化によって改修工事が必要なのは首都高だけではありません。

 

1963年に日本初の高速道路として名神高速道路栗東IC ~尼崎IC間が開通しましたが、その後日本全国に高速道路網が広げられました。

 

全国に広がった高速道路網は、今後古いものから順次老朽化していき、改修工事が必要になっていくでしょう。

 

インフラを担う道路の改修工事ですから、当然税金が投入されることになります。

 

税金以外にも受益者負担によって、その負担の重みがドライバーや運送会社などにも厳しいものになってくるかもしれません。

 

首都高地下化の費用の問題

 

首都高の竹橋~江戸橋間を地下化による事業費は、約5000億円といわれています。

 

ただ、この数字は現時点の概算なので、建設資材や人件費の高騰によって、さらに高額になる可能性もあります。

 

事業費すべてを国や地方公共団体などの負担による公費で行われるわけではなく、民間の費用負担を国交省は求めていく姿勢がみえています。

 

2006年に小泉首相の私的懇談会である有識者会議「日本橋川に空を取り戻す会」の報告書によると、事業費のうち約1000億~2000億円を国が負担して残りは民間への負担を求めています。

 

民間の負担が重くのしかかり、日本橋周辺上空の首都高地下化は実現しなかったのですが、今回も民間で2000億円以上の負担は必要になるのではないかと思われます。

 

現在の日本橋上空の首都高の様子。

 

日本橋上空の様子。上空からの日差しは一定程度あります。

 

別角度からの様子。高速道路がなければ確かにもっと日本橋が目立ちます。

 

隣の橋から日本橋と日本橋川の上空の首都高の景観。

 

常盤橋から首都高の様子。こちらはなぜか工事用ネットに覆われています。

 

皇居の敷地内に侵入する首都高。お濠と突貫工事で造られた高速道路。見方によっては日本らしさを感じる。

 

 

竹橋ジャンクション。左に分岐してるのが都心環状線と池袋線に分岐している。この光景に日本らしさを感じる外国人も少なくなさそう。

 

竹橋ジャンクションで分岐される両方向とも運河上に首都高が建設されています。

 

日本橋川のクルーズ

 

日本橋が架かる日本橋川にはいくつかのクルーズ船があり、ボートトリップを楽しむことができます。

 

日本橋川のほぼすべての上空に首都高速の高架があります。

 

重要文化財の日本橋の景観を壊すという意見はあるもの、高架下を流れる日本橋川はその独特の風景があります。

 

クルーズ船からの風景は今感じでツイートもされています。

なかなか魅力的な光景だと思うのは都市生活ラボだけでしょうか。

 

日本橋にも低層部が古い近代建築を生かした超高層ビルが見られますが、そんな新旧融合する街だからこそ、高速道路の高架下をめぐる船旅は刺激的です。

 

訪日外国人旅行者は、日本にけっこう無秩序に入り乱れるような街並みを日本らしさと捉えているような感じもします。そこに魅力を感じるわけです。

 

例えば、新宿でも西新宿の整然とした街並みに人が訪れるわけではなく、歌舞伎町のネオンや東口の雑多な街並みに人が吸い寄せられます。

 

渋谷のスクランブル交差点が世界的にも有名だったり、大阪では梅田よりミナミのほうがはるかに人気だったりとか。

 

売り込みによっては、高架下を流れる日本橋川のクルーズは、まだまだ集客力があるような気がします。

 

こんなツアーもありますが、かなり魅力的です。

 

『 神田川ジャングルクルーズ 』(知られざる大都会の秘境を体験!)

ポケカル

 

仮に首都高速の日本橋周辺(竹橋~江戸橋間)を巨額の費用をかけて地下化したとしても、多くの外国人が訪れるようになるほでもなさそうです。

 

もちろん、観光にメリットがそれほどなかったとしても、地価が高騰するなどの経済的な効果もあるかもしれません。

 

でも、周辺の地価高騰でメリットを受ける人は、その業界のほんの一握り。

 

日本には今後順次老朽化したインフラを改修する必要があることから、たった3km足らずで巨額の税金を使うのはもっと議論が必要です。

 

国と東京都の費用負担、民間がどれだけ負担できるのかなど検討すべき課題は多そうです。