四国の空の玄関口の一つとなる高松空港の民営化については、三菱地所・大成建設・パシコングループからなる企業連合との基本協定を締結しています。

 

先ほど国土交通省より、三菱地所を中心とする企業連合が提案内容が公表され、予想以上の投資規模に驚きの声も上がっています。

 

日本での空港の民営化は、基幹空港である関西国際空港から始まり、その後地方空港の仙台空港が民営化され、神戸空港や高松空港も民営化されようとしています。

 

今後ますます加速しそうな地方空港の民営化。民営化によって地方空港の活性化は進むのでしょうか?

 

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高松空港民営化の提案内容を公表

 

高松空港の民営化は、いくつかの企業連合が応募があり、審査をして優先交渉権を選ぶことになっていました。

 

第二次審査では、三菱地所を中心とする企業連合とオリックスを中心として地元資本等と組んだ企業連合との接戦となっています。

 

審査の明暗を大きく分けたのは、空港活性化を目的とする設備投資の総額。三菱地所グループが大幅に設備投資を上回ったことが大きく、どのような設備で空港活性化を図るのかは注目です。

 

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旅客数は7割増の年間307万人を目標

 

まず空港の主たる収入となる空港収入で重要となる旅客数ですが、2015年の高松空港の旅客数は国内線が165万人、国際線が15万人、合計180万人。

高松空港民営化案

出典 国土交通省

 

これを5年後の2022年には、国内線を209万人、国際線を51万人、合計260万人。つまり2015年から国内線は2割ほど、国際線は3倍以上旅客数を増やす計画。

 

15年後の2032年には国内線が225万人、国際線が82万人、合計307万人を目標としています。

2015年ベースで国内線は4割弱、国際線は5倍以上、合計でも7割ほど増やすことを計画しています。

 

ちなみに年間307万人の旅客数は、2015年の実績では11位の仙台空港や12位の長崎空港に匹敵します。

 

また、近隣の現在四国最大の空港である松山空港の約286万人を上回る目標で、まさに三菱地所などが掲げる「アジア・世界とつながる四国瀬戸内No.1の国際空港」というキャッチフレーズとも合致します。

 

この目標を達成するためにはいくつかのポイントがあります。鍵を握るのは広域周遊観光、訪日外国人旅行者、LCCなどです。

 

高松空港から広域周遊観光を促進

 

高松空港の後背地人口や周辺だけの観光を考えると、旅客数には自ずと限界があります。

 

ただし、高松空港をゲートウェイとして、周辺の広域周遊観光を促すことができれば、より多くの旅客の獲得も可能になります。

 

そのためには、高松空港から高松駅や高松港などの広域交通の乗継拠点までのアクセス強化が重要で、計画でも利便性向上を目指しています。

 

訪日外国人旅行者の対応

 

現在多くの自治体では、いかに多くの訪日外国人旅行者を受け入れるかは大きな課題となっています。

 

より多くの訪日外国人旅行者に訪れてもらうためには、地元空港の国際線の便数を増やすのが手っ取り早いです。

 

現在高松空港の国際線は、台北・上海・ソウル・香港路線がありますが、既存の路線のデイリー運航化を目指します。

高松空港民営化路線図案

出典 国土交通省

 

さらに、タイやシンガポールなどの東南アジアへの直行便や北京への新規就航を目指します。

 

LCCへの対応

 

ビジネス需要が不足する地方空港では、特にLCCを積極的に誘致することは大事です。

 

現在高松空港へは、国内線ではジェットスター・ジャパン、国際線では春秋航空、香港エクスプレス、エアソウルなどが運航されています。

 

LCC対応のスポットや搭乗ゲートを6スポットから8スポットに増やすことにより、将来の増便に備えます。

 

また、コスト意識が強いLCCも参入しやすいように、着陸料など空港使用料を四国瀬戸内エリア最安値の料金設定や料金割引を実施してLCC誘致をしやすいようにします。

 

非航空収入を拡大

 

空港使用料を安くすることは、航空収入の減少にもつながり空港運営に関してマイナス面となる場合もあります。

 

ただ、最近ではたとえ航空収入で大きく稼げなくとも、非航空収入で稼ぐというビジネスモデルが多くの空港で取られるようになっています。

 

高松空港の民営化の提案内容にも多くの非航空収入を増やす試みが見られます。

 

まずは手荷物検査後の制限エリアを現在の180㎡から3,150㎡になんと約17.5倍に拡張します。

 

これによってストレスのないスムーズな移動とこのようなゆったりとしたフードコートを設けて出発前の楽しいひと時を演出します。

高松空港民営化フードコート

出典 国土交通省

 

飛行機に乗って、冷えた空弁を食べるのではなく、温かい食事は満足度も高いです。

 

さらに到着ロビーにはこのような空港ラウンジも。

高松空港民営化案

出典 国土交通省

 

到着ロビーは、高松空港に到着した人はもちろん、誰でも入れるため地元の人などの観光スポットとしても利用されることがあります。

 

このような充実した到着ロビーで多くの人を集客して、非航空収入を高めようという狙いが見えてきます。

 

三菱地所などの企業連合が提案した内容は、かつての地方空港の整備を考えると、かなり大胆なものです。

 

何かとお荷物のような扱いを受ける地方空港ですが、それを大きく変えるポイントなるLCC、訪日外国人旅行者、非航空収入増大に提案は大きく切り込んでいます。

 

この提案が成功をおさめ、さらなる地方空港の民営化へと続くことが観光立国ニッポンを築くためには重要なものです。