東急大井町線急行電車が現在6両で運行されていますが、7両に増車することになります。

 

単純に1両増やすだけなら、さほど大きな出来事ではないともいえるのですが、東急大井町線急行停車駅ではホーム延伸工事が必要な駅もあります。

 

ホームが6両にしか対応していない駅では、7両化に対応するために現在ホーム延伸工事が行われています。

 

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大井町線の変化は東急田園都市線混雑緩和対策でもある

 

東急大井町線は、東京の私鉄路線の中でもローカル色が強い路線です。

 

大井町線に関しては、以前こんな記事も。

小田急代々木八幡駅 改良工事の現場の様子を見て、あの駅を思い出した 

 

記事のタイトルの「あの駅」とは、九品仏駅。

 

もともと東急大井町線は、大井町と二子玉川を結び、都心を通ることがないローカル色が強い路線だけに、それほど長い車両にはホームが対応されていませんでした。

 

九品仏駅も東急大井町線の普通電車の車両増車に伴い、「ドアカット」という苦肉の策で対応をしています。

 

そんなローカル色の強い東急大井町線ですが、近年はその重要性が増してきています。

 

大井町線が東急田園都市線の朝のラッシュ時の混雑緩和対策のひとつになっているのが、大井町線の存在感を高めているのです。

 

2008年に急行を新設

 

東急大井町線は、元々は普通のみの運行でしたが、2008年に停車駅が二子玉川・自由が丘・大岡山・旗の台・大井町という急行を新設します。

 

これによって、田園都市線から品川方面などへ向かう乗客を、大井町線経由で行ってもらおうと試みました。いわば都心を通らず大井町線がバイパスのような役目を果たすわけです。

 

その効果はある程度あらわれ、田園都市線(池尻大橋→渋谷)の混雑率が延伸前の198%から2015年では184%まで緩和されることになりました。

 

2009年に溝の口へ乗り入れ

 

それでも田園都市線の酷い混雑状況は変わりなく、2009年には二子玉川~溝の口間が複々線化をすることによって、大井町線が終日溝の口へ乗り入れることになります。

 

東急溝の口駅は、JR南武線の武蔵溝ノ口駅との乗換駅であり、大井町線を溝の口から直通させることで、より“バイパス”路線の効果を上げようという意図もあったわけです。

 

ただ、大井町線の重要度が上がるのと比例して、その混雑状況も酷くなってきています。

また、まだまだ田園都市線の混雑状況も改善が必要なため、大井町線急行の7両化へとつながっていくわけです。

 

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東急大井町線急行7両化による工事の様子

 

東急大井町線の急行停車駅では、7両編成の電車に対応できないホームがあるため、現在ホーム延伸工事が行われています。

 

こちらは東急大井町駅のホーム延伸工事の様子。

 

こちらは旗の台駅の様子。溝の口方面延伸部予定ホーム。

 

こちらは大井町方面の延伸部予定ホームです。

 

自由が丘駅大井町方面ホームの様子。

 

こちらは溝の口方面ホームの様子。ホーム延伸すると、元々ホームから踏切まで距離が短かったので、ホームと踏切がギリギリになります。

 

今回、東急大井町駅の急行7両化は、一気に2両増車ではなく、1両増車となったのは、もしかしてこの自由が丘駅のホーム延伸の制約があるかもしれません。

 

となると、将来的にはさらに大井町線の急行を8両にするという方法へとつながりにくく、他の方法で田園都市線や大井町線の急行の混雑緩和を考えていかなければならないでしょう。

 

東急が試みるラッシュ時の混雑緩和対策

 

東急電鉄では、ラッシュ時の混雑緩和のためのさまざまな対策を立てています。

 

ホーム延伸や列車増強は物理的制約も多いため、なかなか抜本的な解決はすぐにはできません。

そのため、東急では以下のような施策で、都心方面へ向かうラッシュ時の混雑緩和対策を試みています。

  • 「移動手段を選ぶ」
  • 「働く場所を選ぶ」
  • 「乗車時間を選ぶ」

 

移動手段を選ぶ

 

「移動手段を選ぶ」というのは、電車ではなくバスで通勤してもらおうという試みです。

 

朝時間帯に「バスも!キャンペーン」を実施し、田園都市線の池尻大橋~渋谷間を含む電車定期券を持っている乗客に対して、国道246号を運行する渋谷駅行きの東急バスに、追加料金なしで乗車できるキャンペーンです。

 

バスに乗ることで、特に国道246号沿いに会社がある人にとっては、歩く距離が短くなり、通勤の負担が減ります。

 

 

働く場所を選ぶ

 

「働く場所を選ぶ」といっても、まさか東急が乗客に強制できるわけではありません。

 

ではどうやってするかというと、東急が展開する会員制サテライトオフィス「NewWork」直営店6店舗にお
いて、朝時間帯の利用を無料にするキャンペーンをスタートさせています。

 

これによって、会員となっている会社では、朝の時間帯をサテライトオフィスで仕事をし、昼からゆったりと通勤をするというシステムをとることができます。

 

多様な働き方によって、時差通勤を促すわけです。

 

乗車時間を選ぶ

 

「乗車時間を選ぶ」というのは、ラッシュ時の対策としては、以前から行われている乗車時間の分散化です。

 

「田園都市線 早起き応援キャンペーン」で、オフピーク乗車をする乗客へのポイント還元を増大することで、さらに乗車時間の分散化を推進します。

 

日本は少子高齢化社会に突入し、首都圏といえども将来は人口減少が予想されています。

 

今後は大規模な新路線建設という方法に頼ることなく、東急のような試みを行政などが行っていく必要があるのかもしれません。