ロンドンのタワーマンションで大規模な火災が発生し、ショッキングな映像がニュースになっています。
タワーマンションの火災、しかも建物全体が燃えさかるようなシーンは、住民やその建築関係者も想像にもしなかったかもしれません。
何かしら設備の不備があった可能性がありますが、同じよな火災事故が起こらないとは限りません。
備えあれば憂いなし、高層マンションと火災について考えてみます。
ロンドンのタワーマンション火災のニュース
火災があったのは、ロンドン西部のタワーマンション。
ニュースによると、27階建て、120戸のグレンフェル・タワー(Grenfell Tower)から火災が発生しました。
建物はこんな感じ。
Grenfell Towerってこれか pic.twitter.com/7zBeV6t0od
— 西練馬@日曜V44a (@nishinerima) June 14, 2017
消防に通報があったのが、現地時間の午前1時16分ということなので、真夜中多くの人が寝ていたであろう時間帯に惨事が起こった様子です。
27階建て高層住宅で大規模火災、英ロンドン
CNNでも動画で報道がされていました。燃え広がる様子がまるで映画のようです。
テレビのニュースやワイドショーでもかなり大きく取り扱われたので、ショッキングな映像を見た人も多いと思いますが、あらためて高層建築での火災の恐さを感じました。
高層マンションと火災について
日本ではタワーマンションのような高層建築物の火災となると、小規模な火災が発生した事例はあるのですが、大規模な火災はまだ発生したことはありません。
今回の火災については、あれほどタワーマンション全体が燃え広がるのは、ちょっと想定をはるかに超えています。
火災の原因や、なぜあれほど延焼したのかはまだわかっていません。
高層建築物から火が上がると、消防のはしご車が届かないため消火活動ができないように感じるかもしれません。
しかし、はしご車が届かないようなタワーマンションは、万が一火災が発生した場合にいろいろ対策は考えられています。
防火区画
まずは防火区画です。
防火区画によって、この区画外から急激に燃え広がることを防ぎ、被害の拡大をできるだけ抑える役割があります。
この防火区画ですが、建築基準法では通常3,000㎡ですが、高層建築物の場合は1,000㎡とより狭い防火区画が要求されます。
できるだけ延焼を防ぎ、狭いエリアで火災をとどめて消火活動を行っていくように考えられています。
特により被害が拡大しやすい高層建築物の規制は厳しくなっています。
防災用設備などの設置
タワーマンションなどの高層建築物の場合は、はしご車による消防活動ができないため、防災対策にはその分いろんな対策が必要になってきます。
例えば内装で防火材料を使用することを義務付けられていたり、スプリンクラーの設置などです。
スプリンクラーは、建物の11階以上は設置することが基本ですが、建築条件によっては特例が認められる場合があります。
ですから、対象マンションがスプリンクラーを設置されているかどうかは確認の必要があるでしょう。
タワーマンションで、スプリンクラーが設置されていないのは通常考えられませんが(^_^;)
非常用エレベータ
はしご車が届かない高層建築物の火災の鎮火はスプリンクラーによる鎮火の他に、非常用エレベータを使って消防隊員が消化・救助活動をする方法があります。
高さが31mを超えるビルには、非常用エレベーターの設置が義務づけられています。
非常用エレベータの乗降ロビーの付室には、屋内消火栓、連結送水管の放水口を設置することが決められています。
この設備を利用して消火活動にあたるわけです。
この非常用エレベータは基本的に消防隊員が消化・救助活動に使うことが基本です。
火災などの災害時にはエレベータを使わず、非常階段を使うというのは多くの人の常識となっているはずです。
ただ、東京都などはタワーマンションの上層階の高齢者や障害者の方が、非常用エレベータを使って避難することを容認している場合があります。
万が一の大規模な火災によって、命を落とさないためにも、防災設備の確認と点検をまずは怠らないことが大事です。
また定期的に行われる避難訓練などの防災訓練は、しっかりと参加し避難経路などを再度確認しておくことが大事でしょう。
タワーマンションなどの高層建築物は、火災に強い方策はいろいろ考えられています。ただ、万が一のためにも、素早く適切に対処できることが必要なのです。