関西国際空港へのアクセス路線として整備が期待される「なにわ筋線」の建設が、ますます具体的になってきました。

 

国と大阪府・大阪市、JR西日本と南海電鉄の5者の負担割合も合意に達し、ルートや運行系統などなにわ筋線に関していろいろな予想や妄想が飛び交うようになってきました。

 

阪急のなにわ筋線への乗り入れは、当初は予定されていなかっただけにサプライズでしたが、阪急は新大阪駅まで「新大阪連絡線」を延ばすという計画もあり、なにわ筋線との同時開業を目指すという思惑もあるようです。

 

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なにわ筋線の事業費と負担割合

 

なにわ筋線の事業費は、今年吉村大阪市長が表明した4000億からコストダウンをはかり、3300億になりました。

 

北梅田から難波にかけての途中駅を、当初は4駅と予想されていましたが、「中之島駅」と「西本町駅」の2駅だけとなり、「福島駅」と「西大橋駅」は見送られました。

関空アクセス「なにわ筋線」は4駅新設 「中之島」と「西本町」の途中駅をめぐる問題

コストダウンと関空への速達性を重視したのでしょう。

 

3300億円の事業費をどのように負担するかは、日経新聞の記事によると以下のようになります。

  • 国 約797億円
  • 大阪府 607億円
  • 大阪市 607億円
  • 南海電鉄 774億円
  • JR西日本 516億円

 

キタ─ミナミに新動脈 なにわ筋線、31年春開業
梅田─関空直結、20分短く 事業費圧縮、3300億円

日本経済新聞

 

特に注目は、南海電鉄とJR西日本の負担割合がおよそ6:4になっている点。

これにはまず南海がなにわ筋線のために、新たに“新難波駅”を地下に建設するのと比べて、JR西日本が既存のJR難波駅を利用する違いが大きいでしょう。

 

また、なにわ筋線が計画があったものの、なかなか建設へ進まなかった背景に、JR西日本が南海電鉄の梅田への乗り入れを嫌がったという経緯もあります。

 

事業負担割合を南海がより負担することで、JR西日本も建設に前向きになったという側面もあるでしょう。

 

日経の記事によると、南海電鉄は新大阪まで乗り入れることになることも伝えられていますが、JR西日本が果たしてそこまで許したかは微妙なところです。

 

 

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南海電鉄の重い負担

 

南海電鉄のなにわ筋線の事業費の負担額は、774億円とかなりの負担になります。南海の梅田乗り入れが長年の悲願だったこともありますが、この負担額は南海の経営にかなりの重しとなるでしょう。

 

2017年3月期の南海電鉄の連結決算の営業利益はおよそ318億円。つまり営業利益の2倍以上もの投資をするわけですから、その金額の大きさがわかるでしょう。

 

南海電鉄はこの投資金額をなんとしても回収しないといけないですし、できるだけ運用面での負担を少なくしたいところでしょう。

 

なにわ筋線自体は、整備主体は府や市などが出資する第三セクターが担います。実際に列車を運行するJR西日本や南海電鉄がその第三セクターに使用料を支払う上下分離方式になります。

 

その使用料の負担も南海にとって、けっして軽くないはずです。

 

南海が阪急の「なにわ筋連絡線」に乗り入れることはあるのか?

 

阪急電鉄が、「なにわ筋連絡線」と合わせて「新大阪連絡線」の整備を検討しているニュースも流れてきています。

 

なにわ筋線

31年春に 開業目指す 事業計画、正式発表

毎日新聞

 

「新大阪連絡線」とは、阪急十三駅から新大阪をつなぐ計画路線で、以前からその建設が注目されていました。

 

阪急電鉄は、「なにわ筋連絡線」だけでなく、この「新大阪連絡線」もなにわ筋線が開業する2031年春に同時開業したいという思惑もあるようです。

 

「新大阪連絡線」は、当初は阪急が採用する広軌で走らせるものと思われていましたが、狭軌にしてなにわ筋連絡線と直通することはないでしょうか?

 

「新大阪連絡線」は、新大阪から先への延伸はどのみちないでしょうし、特段広軌でつくる必要性も高くないですし、それよりも狭軌を採用して、なにわ筋線へ直通させたほうがメリットはありそうです。

 

狭軌にした「なにわ筋連絡線」と「新大阪連絡線」を使って、南海電鉄が新大阪に乗り入れることも考えられるでしょう。

 

南海にとっても、JR東海道支線地下化した線路で北梅田から新大阪へ乗り入れるより、阪急の新線を利用したほうが負担が少ないことも考えられます。

 

また、阪急にとっても、南海の特急ラピートが十三新駅まで乗り入れることがあれば、そこから関空へのアクセスの利便性が向上します。

 

南海がJR東海道支線を経由して新大阪まで行けば、ますます京都などへのアクセスで阪急がJRに対して劣勢にさらされることになりますから。

 

阪急は、南海が阪急新線に乗り入れ(もしくは阪急が南海新難波駅に乗り入れ)によって、関空アクセスの利便性向上だけでなく、難波への利便性も向上します。

 

阪急梅田駅から大阪市営地下鉄梅田駅などの乗り換えは、かなりの距離を歩かないといけないので、とても疲れますから。

 

いろいろ妄想が広がりますが、事業計画がより具体的になるまで、いろいろ考えるのは楽しいです。

 

ところで、なにわ筋線の建設が一気に進んだ背景に、訪日外国人旅行者の増大があります。

今後もインバウンドは伸び続けるのかが気になるところですが、次回は将来のインバウンド需要も絡めてなにわ筋線の将来を考えたいと思います。