「旧奈良監獄」は、明治政府が造った「五大監獄」のうち、唯一建物全体が現存する重要文化財です。

 

旧奈良監獄は、今年3月まで奈良少年刑務所として運用されていましたが、現在は閉鎖され新たな活用方法が模索されていました。

 

今回、旧奈良監獄の運営権を清水建設など8社のコンソーシアム(共同事業体)に売却する方針を法務省が固めたというニュースが流れ、今後この重要文化財をめぐる再開発が注目されることになります。

 

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「旧奈良監獄」は奈良公園からも近い重要文化財

 

「旧奈良監獄」は、1908年(明治41年)竣工した赤レンガの名建築で、「五大監獄」のうちのひとつです。

 

その建築の素晴らしさはこちらのツイートでも感じとることができるでしょう。

 

五大監獄とは、奈良の他、千葉、金沢、長崎、鹿児島に明治政府が造った監獄ですが、奈良だけが唯一建物全体が現存をしています。

 

少し前まで少年刑務所として運用されていたのですが、耐震強度の理由により閉鎖されていました。赤レンガの門は見ることができますが、とても重厚なつくりです。

 

監獄や少年刑務所というと、ちょっと辺鄙な場所にあることを想像するかもしれませんが、「旧奈良監獄」は奈良公園や東大寺大仏殿からも徒歩圏内で便利な場所に立地しています。

 

出典 日本経済新聞

 

動画や写真の建物を見るだけで貴重な文化遺産と見て取れますが、国の重要文化財に指定されています。

 

 

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旧奈良監獄の広い敷地

 

「旧奈良監獄」は少年刑務所に運用されていたぐらいですから、広大な敷地を有しています。

 

そもそも旧奈良監獄自体、明治政府が列強諸国との不平等条約解消のために、欧米並みの人権に配慮した施設を目指したことからも想像できるでしょうが、それだけゆったりとしてスペースが設けられています。

 

門をくぐるとこんな感じで、とても監獄や少年刑務所に見えない光景が広がっています。

 

 

上空から見た「旧奈良監獄」の様子。

 

なお、この貴重な文化遺産は、今年2017年7月15日に見学会が催されます。100名限定で6月10まで募集をしています。

 

奈良少年刑務所見学会

https://www.j-heritage.org/tourism/narashoukei/

 

ぜひとも見学会に参加して、建物の素晴らしさを実感したいものです。なお、旧奈良監獄の敷地はなんと10万6千平方メートル!この広大な敷地を、少年刑務所閉鎖後どのように活用するかが検討されていたのです。

 

 

運用権を清水建設などのコンソーシアムが獲得

 

「旧奈良監獄」は、現役最古の刑務所になるのですが、所有権は国が持ちながら、その運用だけを民間に委ねる方法(コンセッション)が模索されていました。

 

コンセッションといえば、近年関西国際空港の民営化をはじめ、空港の運営権でよく耳にする言葉ですが、重要文化財の活用でも今後は期待ができそうです。

 

注目の運営権は、「チサン」ブランドなどのホテルを運営するソラーレホテルズアンドリゾーツが代表企業の8社のコンソーシアム(共同事業体)が獲得。

 

コンソーシアムには、その他清水建設、近畿日本ツーリスト、デザイン会社のセイタロウデザインなどで構成されます。

 

独房を客室に改装するなどして、ホテルの建設がメインですが、コンソーシアムは、10万6千平方メートルの敷地内にレストラン、カフェバー、イベント空間、コミュニティーセンターなどの他、天然温泉の温泉設備も設ける計画で、体験型の複合施設になります。

 

 

奈良のホテル不足の解消なるか?

 

奈良といえば、多くの世界遺産を抱えながら、宿泊施設の不足などから宿泊客が全国でもとても少ない状況が続いています。

 

つまり、奈良に観光に訪れても日帰り旅行が主となっているというとですね。

 

16年の宿泊者数は244万人と全国で2番目に少ないという不名誉な結果。その数字はなんと大阪府の7.8%、京都府の13.5%しかありません。

 

近年は外資系高級ホテルの進出などが見られ、今後奈良のホテル事情も徐々に改善されていきそうな状況です。

 

奈良は観光素材が一流だけに、ホテル不足の解消は早急に改善されなければならない課題でしょう。