
川崎市殿町といえば、羽田空港の多摩川対岸に位置し、国際戦略拠点となる川崎殿町キングスカイフロント地区があります。
ここに新たに東急ホテルズが「東急REIホテル」を出店します。
ホテルの開業は2018年の春ですが、2020年頃には「羽田連絡道路」の完成が予定されており、この橋が完成すれば橋を渡ればすぐそこは羽田空港になります。
東急ホテルズが世界初の「水素ホテル」を出店
東急ホテルズが新たにホテルを出店するニュースが流れてきました。
新しいホテルの注目は、「エネルギーの供給」と「立地」です。
新しいホテル計画の注目は、世界で初めて低炭素水素をホテルで導入し、大型燃料電池により電気や熱などのエネルギーとして利用します。
使われる低炭素水素は、川崎臨海部で作られる使用済みプラスチック由来であり、地球環境に配慮した取り組みがアピールできます。
また、立地も特徴です。羽田空港から至近距離といえば、空港直結のエクセル東急やロイヤルパークホテル、もしくは大鳥居にある東横イン羽田空港などをイメージします。
いづれにしろ東京都にあるホテルです。しかし、新しいホテルは、川崎市それも殿町にあります。川崎から羽田空港まではそれほどすごく近いというイメージはないですよね?
川崎市殿町とは?
川崎市川崎区殿町(とのまち)を初めて聞いたという人もいるかもしれませんが、川崎市の臨海部にある国際戦略拠点「川崎殿町キングスカイフロント地区」として注目されています。
“スカイフロント”は、空港の目の前という意味です。おそらく和製英語ですから、「国際戦略拠点」としてはふさわしくないような。
川崎殿町キングスカイフロント地区の位置が分かるマップです。羽田空港の国際線ターミナルの多摩川を渡った対岸という感じです。
出典 大和ハウス工業株式会社
キングスカイフロントは京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区、国家戦略特区の区域に指定さています。
ライフサイエンス・環境分野における研究所などを集積させ、新産業を創出する狙いがあります。
川崎市ではプロモーション動画も用意し、同エリアの進出を促しています。
進出企業はたしかに研究所などが多いのですが、中にはヨドバシカメラの物流倉庫もあり、ちょっと国際戦略拠点としてのコンセプトとはずれているのは気になる点です。
大和ハウス工業も同エリアに進出し、川崎市と協力して多くの施設などの建設・施工を行っています。
大和ハウスはハウスメーカーを超えて、もはやデベロッパーのような感じになってきています。
ホテルのブランドは「東急REIホテル」
東急ホテルズが殿町へは、「東急REIホテル」ブランドとして出店します。
「東急REIホテル」は、もしかして聞き慣れないという人もいるかもしれませんが、旧「東急イン」ブランドと旧「ホテル東急ビズフォート」を併合して誕生したホテルブランドです。
ミドルクラスのビジネスホテルとしての位置づけですが、新ホテルはミドルクラスの中のトップクラスという感じで少しラグジュアリー感が出ています。
外観イメージ
出典 東急ホテルズ
テラスイメージ。対岸の羽田空港様子や多摩川を臨むことができるのでしょうか。
大浴場のイメージ。大浴場は、日本人・外国人問わずホテルの設備で人気のものです。
その他、注目点としてはサイクリング・ランニングといったリバーサイドアクティビティで、滞在を楽しむ様々な機能が備えられるという点です。
多摩川には自転車道があり、ランニングやサイクリングを楽しむ人が多いですが、こちらの整備も合わせてしっかり川崎市や東京都は行って欲しいですね。
殿町の鉄道アクセス
新しいホテルは、「川崎殿町キングスカイフロント地区」に立地しますが、車での移動は羽田連絡道路ができるとさらに便利になりますが、鉄道アクセスは少々不便さがあります。
出典 東急ホテルズ
最寄り駅は、京浜急行大師線「小島新田駅」。京急の支線ですから、一度川崎に出て京急本線に乗り換えという感じです。
すごく不便ということはないですが、このエリアは「東海道貨物支線貨客併用化」の検討ルート上にあります。実現すれば鉄道アクセスも飛躍的に向上します。