堺市

「百舌鳥・古市古墳群」が正式にユネスコの世界文化遺産に登録されることが決定しました。

 

国内の世界遺産の数は23件目で、大阪では初の世界遺産ということになります。

 

世界遺産登録によって、多くの観光客が訪れることが期待をしていますが、高い場所からしか古墳の形を見ることができない問題があります。

 

また、古墳は立入禁止のため、あまり観光に大きな期待を抱くのも微妙です。

 

古墳単体としては、観光客を集めるのは苦労することもあるでしょう。

 

それよりも、堺市は世界遺産登録によって上がる知名度を生かして、別の方向も探ってみるべきでしょう。

 

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「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産としての価値

 

「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録することが決定しましたが、もっと以前から選ばれてもおかしくない存在でした。

 

都市生活ラボは、以前から次に日本の世界遺産として選ばれる可能性が高いのは、百舌鳥・古市古墳群かなと思っていました。

 

その理由ですが、世界的にも権力者のお墓はすでに世界遺産に登録されているケースが以下のように多いから。

 

例えば、中国の始皇帝陵、インドのタージマハール、エジプトのピラミッドなど他にもたくさんあります。

 

お墓は遺産としての価値が高く評価されがちで、「百舌鳥・古市古墳群」がイコモスから登録勧告を出されていたのもその現れです。

 

最近は“世界遺産がインフレ気味”で審査が厳しくなってきていますし、最近の日本の世界遺産候補でも、イコモスから登録延期をされたケースは少なくなかったです。

 

古墳単体としての世界遺産

 

近年登録をされた日本の世界遺産は、広範囲に及びいろんな遺産をセットにしたものが多いです。

 

例えば、明治日本の産業革命遺産は、長崎の軍艦島が有名です。

 

しかし、この世界遺産は、その他にも様々な23施設が構成遺産で、所在地も福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県にまたがります。

 

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産についても、教会や集落、城跡など様々な構成遺産がありますし、所在地も長崎と熊本に点在しています。

 

一方、「百舌鳥・古市古墳群」はいくつかの構成遺産はあるものの、古墳単体としての世界遺産です。

 

その所在場所も堺から、羽曳野、藤井寺までという狭い範囲に集約されています。

 

こういった意味でも、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群と同じように、世界遺産らしさのあるものが選ばれたという印象があります。

 

他の世界遺産も価値は高いと思いますが、世界遺産の中でも価値の優劣はあります。

 

例えば、カンボジアのアンコールワットとベトナムのミーソン遺跡でしたら、アンコールのほうがより高い価値を感じます。

 

観光客もアンコールにはたくさん訪れますが、ミーソン遺跡は知らない人も多いですし、ベトナム旅行で訪れる人も多くありません。

 

「百舌鳥・古市古墳群」は、教科書の中で見た仁徳天皇陵から多くの日本人もその高い価値を感じているはずです。

 

 

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観光面はそれほど期待もできない

 

「百舌鳥・古市古墳群」は、世界遺産の中でもより高めの価値があるものという感じはありますが、ただ観光面ではそれほど大きな期待もできないでしょう。

 

経済界としては観光によって経済効果を期待するでしょうが、高い所から前方後円墳の形が分からなかったり、古墳に立ち入りできないことから限界はあるでしょう。

 

気球による観光や、タワーを建てるなんて構想もあるみたいですが、それらが「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産としての価値を下げてしまいかねません。

 

都市生活ラボとしては、ドローンからの空撮映像をVRで見るという感じ程度に抑えてみてはどうかなという気はします。

 

 

堺は広域観光の拠点として生きる道

 

「百舌鳥・古市古墳群」それ自体の観光客の集客はそれほど大きな期待はできないでしょうが、今回の世界遺産登録によって、知名度を上げることは間違いないでしょう。

 

そして、堺は広域観光の拠点として、立地などまずまずの良さがあります。

 

まずは、関空からの距離が近いということ。関空から30分~40分程度で到着するのは魅力です。

 

また、外国人にも人気のある大阪ミナミや高野山へもアクセスが良いですし、和歌山方面も比較的便利です。

 

大阪富田林の古い町並みや奈良の飛鳥や吉野へも、まずまず便利に行くこともできます。

 

堺は大阪市内よりもホテルの宿泊料の相場が安くて、長い期間日本に滞在しやすいことにも繋がります。

 

「百舌鳥・古市古墳群」は今後どれだけ観光客を集めるかは微妙なところです。

 

しかし、たとえそれほど集客をしなかったとしても、悲観はせずに観光拠点としてアピールすることもぜひしていただきたい。

 

長く日本に滞在をすれば、それだけ日本へ落とすお金も大きくなる可能性も高まるわけですし、気に入ってもらえればリピーターにもなるでしょう。

 

もちろん堺にも観光としての魅力もありますから、拠点にして周遊することでその恩恵も受けるはずです。