神戸都心部にタワーマンションの建設を規制する動きが出てきています。

 

規制の理由ですが、近年タワーマンションばかり建設され神戸が大阪のベッドタウンのような位置づけになっているということがあるようです。

 

住宅ではなく、中心部をショッピングやグルメ、アートシーンを楽しめるまちにしたいというのが背景にあるようです。

 

まあ、感情としては理解ができるのですが、この政策は果たして上手くいくのでしょうか?

 

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神戸都心部の住宅規制

 

神戸市が都心部の住宅建設の規制に乗り出そうとしています。ヤフーニュースでも大きく紹介されているので、けっこうな話題になっています。

 

 

一番の大きな理由ですが、神戸が大阪のベッドタウンのような位置づけになっていることに神戸市も危機感を感じているのでしょう。

 

先日神戸市の人口が川崎市に抜かれたというニュースが流れ話題になりましたが、最近は神戸に関してあまり良いニュースが流れませんが、神戸はどこへ向かおうとしているのでしょうか?

 

 

神戸と似た都市として横浜があげられますが、ともに港湾都市で、横浜が東京、神戸が大阪という、それぞれより大きな都市に近接しています。

 

横浜市がすでに都心での住宅規制を行っており、さらに東京都の中央区や江東区のようなタワーマンションが林立する場所でも「居住誘導政策」を転換する、事実上の規制を導入などしています。

 

したがって神戸もそれらの自治体と同様の政策で都心部に賑わいを創出しようという試みですが、果たして上手くいくのでしょうか?

 

それらの自治体と神戸ではちょっと状況が違うのでかなり厳しいことが予想されます。

 

 

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「東京と横浜」・「大阪と神戸」その関係の違い

 

何かと比較される東京と横浜、大阪と神戸、その両者の関係性ですが、かなり違います。

 

つまり、横浜は東京のベッドタウン化が昔から見られ、300万人以上の人口を抱えながら昼夜人口比率が昔から高かったわけです。

 

ただ、その横浜も企業誘致策が功を奏し、2015年の国勢調査では昼夜人口比率が1970年と同水準の91.7%に回復しました。

 

一方、神戸はというと昔から昼夜人口比率が高く、2015年の国勢調査でも102.2%と100%を超えており、神戸自体がそこそこ働く場所としても機能しているといえます。

 

わかりやすい表現でいうと、昔からビジネスだけでみると東京と横浜の関係はこんな感じ。

 

東京 >>>>>>>> 横浜

 

 

一方大阪と神戸の関係は古くはこんな感じでしょうか。

 

大阪 ≧ 神戸 もしくは 大阪 > 神戸

 

それが最近になってちょっと状況が変わってきて、こんな状況になりつつあります。

 

大阪 >>> 神戸

 

これが最近のインバウンドの状況、G20の開催、万博やIRなどによって、将来もう少し両都市の関係性に変化を見せそうな感じです。

 

このように東京と横浜、大阪と神戸、とそれぞれの関係性がちょっと違いますし、神戸は大阪のベッドタウン化にそれほど神経質になるよりも、ちょっと違った視点を持った方が良いでしょう。

 

 

神戸は住む場所として優秀

 

神戸は住む場所としてはとても素晴らしく、関西では昔から「大阪で働き、京都で学び、神戸で住む」のが最高の幸せなんて表現をされます。

 

ところが首都圏は違います。多くの人が「東京で働き、東京で学び、東京で住む」のが一番良いが、地価や家賃の関係でどうしても郊外になってしまうと。

 

都市生活ラボは、神戸も大阪も東京も住んだ経験がありますが、神戸はやはり住むのにとても良いです。大阪で住んでいる時でも、やっぱり神戸が良いなという気持ちになったのも数え切れません。

 

でも家賃が違うんです。

 

東京と横浜の家賃がこんな関係なのに対して、

 

東京 >>> 横浜

 

大阪と神戸はこんな感じ

 

大阪 = 神戸

 

下手をするとこんな感じです。

 

大阪 < 神戸

 

都市生活ラボの調査の仕方にもよるでしょうし、若干イメージもあるかもしれませんが。

 

また、出会った神戸に住んだ外国人からも「神戸大好き」、「神戸に住んでとても良かった」という声を何度も聞いてきました。

 

それぐらい神戸は住むのに適した街で、それが神戸の最も大きな特長なのかもしれません。ただ、だからといって、神戸に多くの外国人観光客が訪れるかというとそうでもないのです。

 

 

神戸のインバウンドの将来

 

大阪や京都がインバウンドによって活況になっているのに反して、神戸はその恩恵を十分に受けていません。

 

それが、国際空港の位置によるものだという意見、つまり関西空港が神戸ではなく大阪にあるために、神戸には向かわないという考え方があります。

 

だから、神戸空港も国際化して、多くの外国人が訪れ、インバウンドでウハウハにしたいということです。

 

でも国際空港でゲートウェイにしても観光客を誘引するかというと、それは別物。

 

例えば仁川とソウルの関係性なんかは顕著です。ソウルの国際空港はお隣の仁川市にありますが、ほとんどの人は仁川に寄らずにソウルに行くはずです。

 

都市生活ラボは仁川の松島新都心に行ってみたいですが、そんな人は観光面にスポットを当てると少数派です。

 

仁川はちょっと極端な例ですが、天津と北京の関係(両都市は高速鉄道で容易にアクセスできる)だと天津にも国際空港があるので、観光客が訪れます。

 

しかし、その多くのお目当ては天津にも多少は滞在するかもしれませんが、北京に目を向いているはずです。

 

きっちり調べたわけではありませんが(・_・)

 

観光は短期間の滞在なので、どうしてもより魅力のある場所、より都会的な所、より日本的な所に流れがち。

 

それが近接した場所なら、なおさらでしょう。また、大阪は交通の要衝としては、間違いなく関西では飛び抜けています。地理的状況も相まって各地に移動しやすいのです。

 

そして、大阪と神戸を比較すると、最近は大阪がより都会的な場所でしょうし、なにより、より日本を感じるということが両都市の人気の差になっているでしょう。

 

大阪のカオスな雰囲気に日本を感じる人が多いのではないでしょうか。例えば道頓堀や渋谷スクランブル交差点なんか訪日外国人に大人気などですね。

 

日本人が香港に行ったら、九龍の看板が並ぶ姿に思わずカメラのシャッターを押す感覚で、カオスな雰囲気もまた外国人が感じる日本らしさということです。

 

その反面、神戸得意の「国際的な街」はどうでしょう? 神戸より国際的な都市は、世界にでれば、それこそなんぼでもあります。

 

神戸はどうしても中途半端になって、訪日外国人を誘引するのにはちょっと弱いのです。それは都心部の超高層ビル群でも、商業施設や観光スポットの集積やレベルでも同様です。

 

 

神戸の超高層ビルの集積は中途半端

 

中途半端なのは観光資源だけでなく、超高層ビルの集積具合でも神戸はちょっと中途半端です。

 

たしかに最近は神戸都心部にタワーマンションが建設が進み、超高層化が進みましたがそれでも集積としてはまだまだな感じです。

 

先日、中国の湾岸部に訪れた際に、広州からマカオ(珠海)まで高速鉄道で移動をしましたが、神戸クラスの超高層ビルの集積は、本当に10分に1回ぐらいに次々と現れるような状況でした。

 

つまり、中国人からすると見慣れた光景ですし、他のアジアの街を見回してみても、神戸ぐらいの都市規模の街はたくさんあります。

 

それを規制して超高層マンションを建てないようにしようとするのですから、神戸の町並みも中途半端なままに下手をするとなってしまいます。

 

集積は新たな美しさを生みだします。香港の摩天楼がそうでしょうし、ニューヨークもそうですよね。少し極端な例ですが。

 

アメリカは中核都市でも、都心部では超高層ビルが集積しますが、観光客はニューヨークの摩天楼は見に行っても、サンディエゴの摩天楼にはそれほど興味がありません。

 

その理由はやっぱり中途半端だから。神戸もこの例と単純に比較するのは問題があるでしょうが、中途半端は人を誘引しないのです。

 

 

住居規制をしても商業施設やオフィスが建つとは限らない

 

神戸の都心部に住居規制をしたからといっても、それが商業施設やオフィス建設につながるというかというと、そうでもないでしょう。

 

全ては需要と供給。

 

ならば、規制などせずにマーケットに任せてしまえば良いと思うのですが。マンションが建てば、それこそ神戸が得意な住んで良い街が充実するわけですから。

 

景観論争や賑わいの創出については、一定の理解は示しますが、それなら神戸市はもっと大胆な規制緩和策も同時に進めるべきでしょう。

 

また、神戸が昔「株式会社神戸」と言われたような壮大な計画を建て、それが大風呂敷を広げる気味であってもです。

 

例えば先日神戸の海の水質が良くなって、漁業に影響を与えているのでこれ以上水質を良くなることに歯止めをかけるという驚きのニュースがありましたが、それぐらい神戸の海はキレイです。

 

舞子や朝霧辺りはなかなかのものですよね。あれだけ都心に近いキレイな海があるなんて。あそこに高層コンドミニアムをたくさん建て、「舞子・朝霧ハワイ化計画」なんてものをね。

 

神戸の衰退の一番の原因は、保守的になっていること。日本全体がそうなんですが、その中でもイケイケ体質の所はわりと良くなっています。

 

万博とIRで盛り上がる大阪が典型例ですが、東京も官主導の規制緩和でイケイケ体質になっています。

 

もちろん都市計画や調和の取れた街づくりも大事ですし、行政のやることも理解ができますが、あまり規制緩和で進めるのもどうかと。そもそもマンション建設も自然に落ち着きを見せるような気もしますし。

 

現在の神戸の状況から、神戸が以前行った幻の関西空港計画のために、「ナイ・ナイ・ナイ」になっちゃうかもしれません。

 

神戸得意の国際都市であるためには、行き過ぎた規制はいけません。世界は規制を嫌います。それが都心部の事情なら、ある程度マーケットに任せるのは仕方ないでしょう。