マスターカードが「2018年度世界渡航先ランキング(Global Destination Cities Index)」を発表しました。

 

今年の結果(2017年の渡航者数)は東京が8位、大阪が19位にランクインし、インバウンドが好調な日本の状況をまさに反映した結果になっています。

 

足元では好調な日本への渡航者数ですが、今後もこの状況が続くのでしょうか? 日本、東京、大阪それぞれの課題を考えてみました。

 

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2018世界渡航先ランキングの結果

 

プライスレスのCMが印象的なマスターカードが発表した「2018年度世界渡航先ランキング(Global Destination Cities Index)」の結果です。

 

1位 バンコク(タイ)  2,005万人
2位 ロンドン(イギリス) 1,983万人
3位 パリ(フランス) 1,744万人
4位 ドバイ(アラブ首長国連邦) 1,579万人
5位 シンガポール(シンガポール)     1,391万人
6位 ニューヨーク(アメリカ)  1,313万人
7位 クアラルンプール(マレーシア)    1,258万人
8位 東京(日本)   1,193万
9位  イスタンブール(トルコ)   1,070万人
10位 ソウル(韓国)  954万人

 

日本からは東京が見事8位にランクインをしています。さらに10位以下のランキングですが、

 

11位 アンタルヤ(トルコ) 942万人
12位 プーケット(タイ) 929万人
13位 メッカ(サウジアラビア) 918万人
14位 香港(中国)  903万人
15位 ミラノ(イタリア)   881万人
16位 パルマ・デ・マヨルカ(スペイン) 878万人
17位 バルセロナ(スペイン) 869万人
18位 パタヤ(タイ) 867万人
19位 大阪(日本)  842万人
20位 バリ(インドネシア) 830万人

 

19位に大阪がランクインしています。20位までにはバンコク、ロンドン、シンガポール、ニューヨーク、ソウル、香港、ミラノ、バルセロナなど日本人にも人気のおなじみの都市が並んでいます。

 

そんな強豪がひしめく中での東京8位、大阪19位という結果。ほんの10年前までは日本は海外から観光に訪れるというイメージが少なかっただけにこの結果はすごいですね。

 

 

東京の順位の推移

 

2018年のランキングで8位に入った東京ですが、2015年度(2014年)が19位、2016年度(2015年)が11位、2017年度(2016年)が9位から今年8位ですから、着実に順位を上げています。

 

※()内の年度が渡航者数

 

東京は2015年のランキングで19位でしたが、昨年に続いてトップ10入り。このままトップ10の常連になるのかが気になるところです。

 

 

大阪の順位の推移

 

大阪は2018年のランキングで19位ですが、2015年度(2014年)が37位、2016年度(2015年)が25位、2017年度(2016年)が17位で推移しています。

 

今年は昨年のランキングより順位を落とすという結果になっています。ただ順位を落とすといっても、このクラスのライバル都市はしのぎを削っている状況で、今後も浮き沈みが毎年あるはずです。

 

順調に見える日本のインバウンド、特に東京と大阪が脚光を浴びますが、今後の課題はどのようなものがあるのでしょうか?

 

 

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東京の課題は?

 

東京は前年より順位は上げているものの、渡航者数は1,115万人から 1,193万人と伸び率は低くなっています。3位のパリがかなり渡航者数を伸ばしているのと比較すると、少し物足りない面もあります。

 

この数年の急激な伸びは止まった感じもみられます。さらに最近では政府も地方への集客のプロモーションにも力を入れており、リピーターがどんどん東京以外に流れることが予想されます。

 

観光都市として成熟した形で成長が鈍化するのはまだしも、まだまだ観光都市としての東京は発展途上で、今まで以上により魅力的な都市づくりをしていく必要があるでしょう。

 

今まではちょっとした日本ブームも後押しをして、順調に渡航者数を伸ばしていました面もありますので、飽きられないようにリピートして滞在されることが大事です。

 

 

大阪の課題は?

 

大阪の課題としてよくいわれるのが、消費額の低さ。マスターカードのランキングでは10位までしか明らかになっていませんが、東京が9位に入っているのである程度予想はできます。

 

2018年度消費額ランキング(2017年消費額)
1位 ドバイ(アラブ首長国連邦)   297.0億ドル
2位 メッカ(サウジアラビア)  184.5億ドル
3位 ロンドン(イギリス)  174.5億ドル
4位 シンガポール(シンガポール) 170.2億ドル
5位 バンコク(タイ)  163.6億ドル
6位 ニューヨーク(アメリカ) 161.0億ドル
7位 パリ(フランス)   130.5億ドル
8位 パルマ・デ・マヨルカ(スペイン) 119.6億ドル
9位 東京(日本) 119.1億ドル
10位 プーケット(タイ)   104.6億ドル

 

東京はシンガポールやバンコクなどのアジアの国と比べてもその消費額が低なっていますが、大阪は東京と比べてもさらに消費額が低いのが、日本の統計でも明らかになっています。

 

このことは、富裕層対応ができていない、具体的には超高級ホテルの不足などがよく指摘されています。

 

確かに富裕層対応が十分にできていないのは確かですが、今後とにかく富裕層対応にばかり注目するのは、少し考えものです。

 

 

日本の心配なこと

 

インバウンドで日本の心配なことというと、先の台風21号や北海道の大地震にもみられたような自然災害が良く指摘されます。

 

確かに日本は外国人から見ると災害が多い国に見えるでしょうし、将来のインバウンド市場の大きなリスクになります。

 

ただ自然災害以外にも、日本は少々決めつける傾向があるのはちょっと注意が必要な気がします。

 

例えばLCCを利用する旅行客=貧乏、ゲストハウスを利用する旅行客=貧乏。

高級ホテルを利用する旅行客=富裕層。

 

そして、前者のような旅行客はあまりお金も落とさないので、日本にとって好ましくない客という感じです。

 

確かにお金をたくさん落としてくれる旅行客が日本にとってありがたいの確かですが、LCCを利用するものの実は富裕層だったいうのは良く耳にします。

 

また、高級ホテル利用だって、日本からの海外旅行で格安パックツアーで高級ホテルがセットになったプランもあります。

 

普段の生活は苦しいけどホテルぐらいは高級なところに泊まりたいなんて考える人って決して少ないないですよね?

 

ゲストハウス利用だって、日本では考えられないような長い休暇を取って、日本に長期滞在する旅行客もいます。彼らは1日の消費額は少なくてもトータルでの消費額は大きくなるので侮れません。

 

学生のバックパッカー旅行なら、彼らが将来就職して富裕層になることだってあるわけですから。

 

ぶっちゃけ今の訪日外国人旅行客の日本ブームは、「日本がお得だから」という側面もかなりあります。それを無視して、とにかく経済効果だ、富裕層対応だ、ボッタクリや高級な施設の建設に邁進するなら、おもてなしのある国という評価が揺らぐかもしれません。