台風21号によって大きな被害になり、空港機能が著しく損なった関西空港ですが、復旧が急ピッチで進んでいます。
タンカーが連絡橋に衝突した様子や滑走路やターミナルビルが浸水する姿を見ると、関空が再開するまでかなりの時間を要する感じもしました。
ただ第2ターミナルやB滑走路に被害があまりなく、台風通過後もすぐに利用が可能だったことや、連絡橋の北側が通行でき、1車線ながら交互通行で利用でき、暫定的に関空も再開しています。
ただ、本来の便数とは程遠く完全復旧が待ち遠しい状況でしたが、都市生活ラボが当初予想したより急ピッチで復旧が進んでいる印象です。
国内線や国際線の一部がすでに運航再開
浸水の被害を免れた第2ターミナルとB滑走路を利用してすでに国内線や国際線の一部がすでに運航を再開しています。
現在運航中の航空会社は、
- ANA
- JAL
- peach
- 春秋航空
さらに12日(水)からは済州航空が一部の便の運航を開始することになります。
関空の乗り入れ航空会社の数を考えると、もうほんの一握りという感じですが、確かな一歩を踏み出しています。
春秋航空やPeachなどインバウンドを考えると、とても重要な路線が再開していることは少しホッとするところではあります。
ただしANAでしたら上海便のみという感じで、ごく限られた便だけが運航されている状況で、完全復旧への道のりはまだまだ遠い状況です。
KIX早期復旧計画
関空を運用する関西エアポート社から、9月8日に「KIX早期復旧計画」が発表され、今後の復旧がどのように進むかが明らかになっています。
出典 関西エアポート株式会社
まず現在は1の緊急供用の段階で、今後は2の暫定供用の段階に移ることになります。時期はまだ正確にははっきりしませんが、9月7日からの約1週間後と考えると、だいたい9月15日前後が想定されそうです。
今週末には、第1ターミナルの国際線と国内線の部分供用と第2ターミナルの全面供用が開始される予定になっています。
第1ターミナルの21スポットが使用可能に
第1ターミナルの部分供用の規模がどれくらいになるかは気になるところですが、41あるスポット数の21が使用可能な状況になります。
被害の少ない南側の復旧を中心に行われおよそ半分程度のスポットが利用可能な状態です。
ただ設備の被害もありますので、どれくらいの便数が再開されるかは不透明な状況です。
例えば建築付帯設備は、照明や防災は9月20日本復旧の見込みになっていますが、空調やエレベーターは排水を完了し、現地調査を開始している段階です。
出典 関西エアポート株式会社
スポットが利用できても、設備の復旧がそれに見合うものである必要がありますから。さらに一番のネックとなるのが空港アクセスの問題です。
現在は神戸からのベイシャトルや一部のリムジンバスやりんくうタウン駅からの無料シャトルバスが運行されている状況です。
リムジンバスは9月13日までは、下記の路線が運行が再開されています。
- あべのハルカス線
- 寝屋川枚方線
- 守口線
- 京都線
- 奈良線
- 近鉄学園前線
- 大和八木線
利用が多い大阪駅前線、なんば(OCAT)線、神戸三宮線などは本数を減らして運行がされていますし、USJ線などは全便運休状態です。
第1ターミナルが部分供用と第2ターミナルの全面供用が始まると、かなり旅客数も増えると思われるので心配なのが交互通行になっている交通渋滞です。
本格的な復旧の鍵となるのが鉄道アクセスの復旧ですが、少しうれしいニュースも流れてきています。
関空の鉄道アクセス9月末にも再開見込み
大量の旅客を遅れなく運ぶためには鉄道アクセスの再開が欠かせません。たとえ第1ターミナルが全面供用できる状況となっても鉄道アクセスの再開が欠かせません。
その関空鉄道アクセスも、どうやら今月末にも再開の見通しになっています。
9月15日追記 9月18日始発から関空鉄道アクセスが再開することになりました。
関空鉄道:月末に再開も 国交省 – 毎日新聞 https://t.co/XNfWEhpGEN
— 毎日新聞 (@mainichi) September 11, 2018
鉄道アクセスの再開によって、9月末にも関空の復旧がかなり進むものと思われます。伊丹や神戸に一部国際線を臨時で運航するという計画もありますし、インバウンドの影響は軽微で済みそうな感じもします。
昨日はミナミの街を歩きましたが、以前よりも少ないものの相変わらず外国人旅行客の多さは目立ちます。ただ、南港などは訪れた時間帯にもよりますが、まったく外国人旅行者を見かけない状況でした。
ホテルの宿泊費も以前と比べてかなり単価も安くなっている傾向が見られ、まだまだ稼働率も低い状況でしょう。
関空の本格的な再開が待たれるところですが、今月末の鉄道アクセスの再開がポイントになりそうです。