神戸港はかつては世界でも有数の港湾という時代がありました。

 

日本経済のバブル崩壊、その後の長い経済低迷、さらにそこに追い打ちをかけるように1995年に阪神淡路大震災。

 

そのような状況下にアジア各国の目覚ましい経済成長などによって、ライバルだった中国上海港や韓国釜山港などは急成長。一気に神戸港の世界的な地位は低下しました。

 

その神戸港が新たな人口島を建設し、港湾能力を増やしライバルに対抗しようというニュースが流れてきました。

 

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神戸港世界20位を目指すというニュース

 

神戸市が神戸港の物流機能を2倍に増強し、港湾のハブを再び目指すというニュースです。

 

神戸港、物流機能を倍増 新人工島軸に50年めど、世界20位目指す

日本経済新聞

 

神戸港には現在、「ポートアイランド」と「六甲アイランド」という大きな人工島がありますが、六甲アイランドの沖に新たに人工島を造成し、大型のコンテナターミナルを整備します。

 

出典 日本経済新聞

 

さらに民間企業の進出を促し、医療産業や食品、産業ロボットの加工地や物流倉庫を集積するなどして、神戸港のコンテナ処理能力を年間約600万TEUに引き上げる計画です。

 

 

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現在の日本の主要港湾の取扱個数

 

神戸港がコンテナ処理能力を倍増する計画ということですが、現在の日本の主要港湾の取扱い個数はどれくらいなのでしょうか?また、昔と比べてどれくらいの違いがあるのでしょうか?

 

国土交通省港湾局が作成した「世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキング 」というデータがあります。1980年と2015年の取扱個数が比較できます。

 

まず1980年の日本の主要港湾の取扱個数と順位です。

  • 神戸港 1,456,048TEU  4位
  • 横浜港    722,025TEU 13位
  • 東京港    631,505TEU 18位

 

用語 TEU(ティーイーユー)とは?

 

神戸港を筆頭に横浜、東京と上位20位内に入っています。
それが2015年になるとどうなったかというと、

  • 東京港 4,629,000TEU 29位
  • 横浜港 2,787,296TEU 54位
  • 神戸港 2,706,967TEU 57位

 

上位20位に入る日本の港湾はひとつもありません。コンテナ取扱個数では東京港などはかなり伸ばしているのですが、それでも順位は1980年と比べて下げています。

 

ではどのような港湾が上位に顔をだすようになってきたかというと、日本周辺のアジアの港湾が驚くような発展を遂げているのです。

 

 

アジア主要港湾の驚くべき成長

 

2015年のランキングでは、アジアの主要港湾が上位を独占し、トップ10まですべてアジア勢になります。11位に1980年に2位だったヨーロッパのロッテルダムが顔を出すことになります。

しかも日本周辺の東アジアの主要港湾の伸びが著しいです。1位~8位にずらっと並んでいます。そのうちほとんどの港湾は1980年のランキングには入っていません。

香港が3位、釜山が16位に顔を出しているだけです。

  • 上海     36,537,000TEU
  • シンガポール 30,922,300TEU
  • 深セン    24,204,000TEU
  • 寧波-舟山    20,620,000TEU
  • 香港     20,114,000TEU
  • 釜山     19,469,000TEU
  • 広州     17,624,900TEU
  • 青島     17,624,900TEU

 

1位の上海と神戸港では取扱個数で10倍以上の差がついています。この差は日本と中国の市場の大きさの差もあるでしょう。

 

人口が10倍ほど違いますから(・.・;)

 

また、シンガポールや釜山などは国自体の市場は大きくありませんが、中継港として取扱個数を上げています。

 

北米や欧州からの荷物をいったん中継港に荷揚げし、そこからアジア各国へ運ぶという感じです。

 

つまり、港湾の「ハブ&スポーク」です。

 

用語 ハブ&スポークとは?

 

ハブ空港争いに関しては、テレビなどのニュースで紹介されることが多かったので、その状況を知る人は多かったでしょうが、実は港湾に関しても空港と同じように日本の港が低迷しているのです。

 

 

スピードやコスト的にに劣る日本の港湾

 

神戸港をはじめ日本の港湾の地位低下の大きな理由は、その高いコストにあるといわれています。どうしても周辺アジアのコストが安い港湾にハブ機能が変わっていくのは合理性を考えると仕方のないこともしれません。

 

また、スピードに関しても日本の港湾は劣勢に立たされていました。夜間や休日を含めた通年フル稼働も世界の港湾では当たり前でしたが、日本の港湾は利用時間の制限や割増料金など利便性が悪いのです。

 

さらに、港湾のインフラ整備や需要喚起の対策も他の国と比べてその遅さが目立ちます。今回の神戸港の処理能力倍増も、もっと早く対策を立てるべきであったのではないかと思えます。

 

これからアジアの各港湾はどんどんその存在感を増しそうです。日本の港湾がアジアの主要港に並ぶのはもちろん、その差を縮めるのも現段階ではなかなか難しい状況です。