北海道日本ハムファイターズのボールパーク構想ですが、3つの候補地の中でどこが選ばられるかはプロ野球ファンでなくとも注目されるニュースです。
北広島市は昨年12月、「ボールパーク構想」についての提案書を日本ハム球団に提出しました。
提案内容は非公開だったのですが、市民に広く理解してほしいという理由で一般に公表をしました。
提案内容の注目は、野球以外で楽しめるアクティビティや最寄り駅となる新駅誘致などです。
北広島の提案内容は球団や市民・北海道民に受け入れられ、新球場誘致を成功させることはできるのでしょうか?
Contents
北広島市「ボールパーク構想」の整備イメージ
まずは北広島市がどのようなボールパークを目指しているのか、その整備イメージを見ていきます。
出典 北広島市
ボールパーク建設予定地は、「きたひろしま総合運動公園」という敷地の広い自然公園です。
北海道らしい自然を生かしながら、賑わいをつくるショッピングモールやホテルが建設される計画です。
野球観戦だけでなく、ショッピングやアクティビティもなど野球以外の目的での来場も見込むことができそうです。
北広島市の構想の最も素晴らしい利点が、このすでにある自然公園を生かした広大な敷地です。
日本ハムファイターズは、ボールパークの広さとして、20ヘクタールを条件に出していますが、その要件を満たすことができます。
北広島市の提案内容
北広島市の「ボールパーク構想」の提案内容で注目すべき点は、
- 北海道の四季を体感できる総合的なアミューズメント空間
- 季節に応じたコンテツを提供することによって、野球シーズンでも来場したくなる仕掛け
です。
北海道の四季を体感できる総合的なアミューズメント空間
北海道には変化のある四季があります。
春から夏にかけての野球シーズンは野球観戦を楽しむことはもちろん、豊かな自然をまるごと体感したり、非日常空間を楽しめるようなアミューズメント空間が計画されています。
イメージ的には北海道の高原リゾートでしょうか。そこに野球観戦が加わり、さらに都会的なショッピングを楽しむことができる
季節に応じたコンテツを提供
ボールパーク構想では、季節に応じたコンテツを提供することによって、野球シーズンでも来場したくなる仕掛けをつくります。
春
花見
ハイキング
バーベキュー
森林浴
アスレチック
夏
グランピング
キャンプ
バーベキュー
花火
アスレチック
秋
紅葉狩り
ハイキング
アスレチック
冬
スキー・クロスカントリー
スノーボード
スノーモービル
かまくら
イルミネーション
冬キャンプ
冬のウィンタースポーツが楽しめるもの北海道ならではの魅力です。
新千歳空港からアクセスが容易な場所に、様々なコンテツが出来上がると、日本人はもちろん多くの外国人も訪れる名所となりそうです。
新駅建設と鉄道アクセスの問題点
北広島市のボールパーク構想には、JR千歳線に新駅を建設することも触れられています。
もちろん事業主体が北広島市ではなく、民間企業のJR北海道です。
そのため、北広島にボールパークを実現できた時には、新駅の建設をして欲しいという打診をしている段階でしょう。
ボールパークに近い新駅ができれば、快速エアポートで札幌から15分ほどの距離にあることから、札幌からもアクセスが容易になります。
ただ、単に駅をつくれば良いというわけではなく、北広島ボールパークの鉄道アクセスには問題点が多いです。
一番の問題点は輸送力の問題です。
そもそも千歳線の快速エアポートは、新千歳空港へのアクセスとしての役割が大きく、空港利用者の多くは鉄道を利用します。
そのため、混雑も時間帯によっては激しく、さらにボールパークのアクセスとなると、輸送力の限界を超える可能性もあります。
単純に列車の運行頻度を増やしたり、車両を増結すれば良いのではと感じるかもしれません。
しかし、千歳線は貨物列車の利用もあり、ダイヤ上の制約もあります。
車両の増結に関しては、現在快速エアポートは6両で運転をされていますが、新千歳空港駅ホームは6両編成までの対応になっています。
空港アクセス路線としての色濃い、快速エアポートを増結することとなると、新千歳空港駅のホーム拡張が必要となり、地下駅のためとても現在のJR北海道の体力では難しいでしょう。
札幌までの臨時快速を運行させるなどの方法で対応はできそうですが、果たしてどうでしょう?
北広島市「ボールパーク構想」のコンセプト
北広島市が日本ハムファイターズに提出した「ボールパーク構想」ですが、基本理念をあらわした、そのコンセプトを最後に見ていきます。
コンセプトのキーワードは”つむぐ”・”つどう”・”つなぐ”の3つ。
つどうは集うで集客を意味しますから、コンセプトとしては分かりやすいのですが、”つむぐ”と”つなぐ”は、パッとイメージが湧かないかもしれません。
”つなぐ”は、未来へ”つなぐ”と表記すると、イメージがしやすくなります。”つむぐ”だけは説明が必要です。
希望を”つむぐ”
我が街にプロ野球の球団があることは、誇りになるものです。また応援する喜びもあります。
日ハム、楽天、広島、ソフトバンクなど地方都市を拠点としたファンの盛り上がりもそのあらわれです。
球団が新たに我が街でできたことで、新たな生きがいを見つけたという人も多いはず。
ボールパーク構想は、単に野球を見て、応援するだけでなく、野球以外のアクティビティも充実しています。
スポーツや体を動かすことが日常的なものとなり、子供の健やかな成長や高齢者の心身にも良い影響を与え、寿命が伸びることによって、道民・市民の希望をつむぐ。
これが希望を”つむぐ”というコンセプトの意味です。
北海道日本ハムファイターズの北広島市への移転は、北広島の人口を考えると厳しいという意見もあります。
ただ、かつては巨人ファンばかりの札幌で、日ハムが札幌に移転をしてもファンが獲得できるのかという心配もありました。
しかし、今や立派な市民球団にファイターズは成長をしています。
北広島に移転することで、札幌だけでなく、北海道の道民球団として、さらなる発展をする可能性もあるでしょう。