サイクルトレインとは、自転車を解体せずにそのままの状態で列車の中に持ち込むことができるサービスです。

 

海外であれば、特別珍しいサービスではありませんが、日本では旅客営業規則などで、袋などに入れた状態で「輪行」する必要があります。

 

自転車を分解するのは慣れていないと相当な時間がかかり、輪行も見た目以上に大変です。

 

サイクルトレインは、地方都市などの中小私鉄が利用促進のために導入するケースはありますが、なかなか都心周辺のJRや大手私鉄では導入が進みません。

 

そんな状況の中、JR東日本が来年2018年1月にサイクルトレイン「BOSO BICYCLE BASE(房総バイシクルベース)」を運行することになりました。

 

都心からアクセスがしやすい房総半島での運行ですが、今後サイクルトレインの導入が進むきっかけとなるのでしょうか?

 

それとも輪行自体に反対する考えも根強く、逆に輪行を制限する方向に向かっていくのでしょうか?

 

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サイクルトレイン「BOSO BICYCLE BASE」が来年1月デビュー

 

房総半島は関東地方では自転車ツーリングの人気のエリアです。

 

そんな房総半島に向かう列車に、JR東日本がサイクルトレイン「BOSO BICYCLE BASE(房総バイシクルベース)」を2018年1月に導入。

 

なお、略称は「B.B.BASE」(ビー・ビー・ベース)。

 

このような列車の愛称になったのは、房総各地をバイシクル(自転車)で、駆け巡るためのベース(基地)という意味をこめているからです。

 

JR東日本千葉支社のウェブページでは、こののプロモーション動画もアップされており、積極的に宣伝も行われています。

 

こちらが車両デザインのイメージ。新しい車両を一から作ったのではなく、既存の209系を改造してサイクルトレイン仕様にしています。


出典 東日本旅客鉄道株式会社千葉支社

 

続いて車内の様子です。

 

こちらは車内サイクルラックの様子です。かなり余裕があるスペース。

出典 東日本旅客鉄道株式会社千葉支社

 

画像イメージからも本格的に走るローディーの利用を意識しているようです。もうちょっとどんな自転車でも気軽に乗れるような感じが良いような。

 

こちらは座席とサイクルラックのイメージ。観光列車にサイクルラックを設置したという感じ。

出典 東日本旅客鉄道株式会社千葉支社

 

こちらは4号車のフリースペース。座席がない箇所はサイクリストが雑談することを考えてのことなのか、自転車を留め置くためを考えたのかはよくわかりません。

出典 東日本旅客鉄道株式会社千葉支社

 

「BOSO BICYCLE BASE(房総バイシクルベース)」がどのように運行されるかはまだ未定です。わかっているのは車両は1編成のみ。

 

料金は、「旅行商品での発売を予定」となっています。したがって、定期列車で気軽に乗るのではなく、ツアーとして観光列車に乗車するというイメージ。そのため、運行日も土日などの週末の一部に限られそうです。

 

JRでサイクルトレインが導入されましたが、日常的なものではなく、まだまだ特別なものという位置付けです。

 

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日本で少ないサイクルトレイン

 

自転車をそのままの状態で列車の車内へ持ち込むことができる「サイクルトレイン」は日本でまだまだ少ないです。

 

また、特徴としてJRや都心部の大手私鉄が導入する例はほとんどなく、利用促進のために中小私鉄が行っている傾向があります。

 

こちらがサイクルトレインを導入している鉄道会社の代表例です。

  • 伊予鉄道
  • 伊賀鉄道
  • 一畑電車
  • 近江鉄道
  • 関東鉄道
  • 熊本電気鉄道
  • 小湊鉄道
  • いすみ鉄道
  • 三岐鉄道
  • 上信電鉄
  • 上毛電鉄
  • 秩父鉄道
  • 豊橋鉄道
  • 北陸鉄道
  • 松浦鉄道
  • 養老鉄道
  • 水間鉄道

鉄道会社によって、自転車の持ち込みを有料にするか無料にするかの違いがあります。また、サイクルトレインを導入していても、自社の全路線ではなく一部の路線に限っている場合があります。

 

自転車の列車への持ち込み海外では?

 

自転車の列車への持ち込みについて海外の状況はどうなのでしょう?

 

まず自転車先進国といわれる欧米の例。

 

欧米のサイクル・トレイン事情

Critical Cycling

 

ロンドンの例が紹介されていますが、地上駅の場合は日本のように分解して袋に入れる輪行の必要がなく、そのまま自転車を列車内に持ち込むことができます。

 

また、地下駅では折りたたみ自転車に限って車内への持ち込みが認められています。

 

イギリスといえば名車「ブロンプトン」で有名ですが、折りたたみ自転車のブロンプトンが人気がある一因にもなっています。

 

基本的には欧米では列車内に自転車を持ち込むのは、当たり前のような風潮があります。

 

一方アジアではどうでしょう? アジアというと日本以上に車中心の社会で、あまりサイクリング文化が浸透していないイメージを持つ人も多いでしょう。

 

例えばお隣の韓国。韓国では特急列車の車内に自転車をそのまま持ち込めますし、驚くことにソウルの地下鉄では一番前の車両などにそのまま自転車を持ち込むことができます。

 

その様子です。

 

ソウルの地下鉄もですが香港の地下鉄も日本と同じように混雑するイメージがあります。そんな香港でも地下鉄に自転車をそのまま持ち込むことができます。

 

その様子です。

 

台湾も同じような状況。

 

どの都市も土日などの週末に限られたり、ラッシュ時には自転車を乗せないなどのマナーがあって、それなりに円滑に運用されているようです。

 

一方日本では、サイクルトレインはおろか、自転車を列車に積み込むという行為自体が禁止される議論もあるようです。

 

問題となっているのは、新幹線での輪行。

 

日本では、自転車を列車に乗せるような大きな荷物を持ち込むことに拒否感を示す人が多い。

 

そのため今後もサイクルトレインを積極的に導入する都心部のJRや大手私鉄はなかなかあらわれないかもしれません。