JR埼京線の板橋駅で留置線を増やすための工事が行われています。
この工事は実は、少し離れた駅の改良工事が理由で、その駅の留置線が廃止されます。
その駅とは品川駅。
品川駅は現在大規模な改良工事が計画されていますが、品川駅の留置線を板橋駅に移転してくるわけです。
まだ正式な発表がされているわけではありませんが、駅のホームの目の前で工事が進むと、何だか埼京線利用者にとって利便性が上がるのかと思いきや、そういうわけでもないかもしれません。
板橋駅では駅前の大規模な再開発も予定されていて、こちらは板橋をガラッと変える可能性を秘めているかもしれません。
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便利だけで、それほど人気がないJR板橋駅
JR板橋駅といえば、池袋から一駅でたった3分の好立地です。
これだけ便利な場所にあるから、人気があるのかと思いきや、「板橋に住みたい」と声を大にして叫ぶ人は、希少な存在かもしれません。
至近距離にある同じ埼京線沿線の赤羽駅は、「住みたい街ランキング」の穴場的存在として、人気が急上昇しているのを見ると、板橋だって将来は!という期待もあるでしょう。
持ち歩ける板橋本 板橋の実力は底知れない (エイムック)
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家賃や物価も比較的安く、住みやすいという良い点はあるので、イメージがアップすればランキングに急浮上することもありえます。
気になる板橋駅の工事
JR板橋駅では現在バリアフリー化など駅改良工事が行われています。
改良工事の概要はこんな感じ。
出典 板橋区
駅がバリアフリーで使いやすくなるのは、便利で良いですし、駅構内で作業をしていたり、建築の案内が掲示されていますので、多くの人にとって分かりやすいです。
ただ、板橋駅では、その他一般の人には少し“謎の工事”が進んでいたり、将来の大規模な再開発が予定されていたりと多くの人がその詳細を知らないようなものがあります。
板橋駅にできている留置線で埼京線に変化?
JR板橋駅では、車両を一時的に停めておく留置線の工事が行われています。
留置線の工事の様子です。
APAホテルの前に車止めができています。留置線であることが見た目でわかります。
車両を一時的に停車する留置線ができることで、いろんな憶測が飛び交いました。
こんな期待とか。
板橋駅の配線工事は品川改修の影響か・・・
品川の留置線使えなくなるから、板橋に止めると・・・・
埼京線板橋止まりが誕生するのかな?— シーマ(オシ16作りたい) (@sima1945) March 1, 2017
板橋駅につくっている留置線は、こんな隠された事情があるようです。
板橋駅に謎の電留線、品川から玉突きか
現在品川駅では駅の改良工事が行われてて、京急品川駅が移転されることになっています。
品川駅の改良工事によって、品川駅にあった留置線が廃止される予定です。
でも、品川駅の留置線はもともと必要だったためあったわけで、なくなってしまうとどこか他の場所に機能を移す必要があります。
その機能を移す場所となるのが、池袋駅の北側にある車両基地。ここで埼京線の留置として使われていたスペースを山手線に流用。
池袋の車両基地の埼京線の留置は、板橋駅へと移すという流れになります。
つまり、品川駅構内留置線廃止→その機能を池袋車両基地へ→池袋車両基地の埼京線用の留置を新しい板橋駅の留置線へ移転という構図。
このため、埼京線に大きな変化があらわれ、板橋駅がぐ~ンと便利になったり、池袋駅止まりの埼京線が大幅に増えるかというとそうでもなさそうな感じです。
気になる板橋駅前の大規模再開発
JR板橋駅の変化というと、もっと気になるのが駅前の大規模再開発の計画です。こちらは板橋駅をガラッと変えるインパクトがある可能性があります。
現在は新しくつくる駅ビルの工事にも着手しています。
もう一度板橋駅の改良工事の概略図を見て見ると、「板橋区用地」と「JR用地」というものがあります。この2つの用地を一体的に再開発する計画があります。
出典 板橋区
一体的に開発することで、いろんな効果がでてきて、再開発がより有益なものになっていく可能性があります。
出典 板橋区
例えば建物の容積率。デベロッパーからすると、できるだけ高い容積率で収益性を上げたいはずです。
容積率の緩和は、上記の事業概要図でも示されているように高度利用地区の指定によるなど様々な方法があります。
しかし、一体的に開発することで、板橋区用地はタワーマンション、JR用地はそれほど超高層でもない商業施設とすれば、JR用地の建物の容積率を移転することで、タワーマンションの容積率を上げることができます。
さらに板橋区では、もっと効率的な民間共同開発の手法を試みようとしています。
タワーマンションの収入を板橋区の公共施設の賃料に充当
板橋区の用地には35階建てのタワーマンションが建設される予定です。板橋区の土地のため、借地権などの賃料が板橋区の収入になります。
一方JR用地には商業施設が計画されていますが、そこにテナントとして板橋区の公共施設を入居させることになります。
商業施設のテナント料は、タワーマンションからの賃料を充当することになります。これで板橋区は余計な予算を使うことなく、新しい公共施設をつくったことと同じような形になります。
これってよく似た手法がすでに話題になっていますよね?
人駅隣りの池袋で、豊島区役所の新庁舎の建設が「実質0円」で行われたことが話題になりました。
「実質0円」で建設した東京・豊島区新庁舎 ハコモノ計画に一石
近年は多くの自治体が財政難におちいっており、税金を使わないハコモノづくりは、今後多くの自治体が板橋区のように追随するでしょう。
また、多くの自治体も板橋区の手法に注目し、マスコミ等で大きく取りあげられるかもしれません。板橋区の世間への露出度が上がれば、今まで見過ごされていたこの街の良さも見直されていくでしょう。
[…] 板橋駅留置線工事の様子と駅前の一体開発の手法 […]