日本では雇用の増加が顕著になっています。

 

景気回復や少子高齢化による労働の担い手不足などが主な原因ですが、失業率の低下、有効求人倍率の増加は良いことばかりではありません。

 

雇用の増加に対して、人手不足が顕著になってきています。それも、ある特定の職種ではかなり深刻な問題になっています。

 

よくニュースなどで耳にするのが、医療や福祉分野の人手不足。保育士や介護士の不足は顕著で、政府もなんとかしようとして対策をとっています。

 

その他、アマゾンなどの通信販売の普及によって、その配達を担う、宅配ドライバーの不足なども最近問題視されています。

 

しかし、あまり話題にのぼることはことはないものの、マンション管理人の人手不足も実は深刻になっているのです。

 

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マンション管理人の担い手が不足

 

一昔前までは、マンション管理人の仕事は座って楽なので退職者などが、好んで求人に応募するような時代がありました。

 

しかし、その状況も一転。マンション管理人が人手不足で人が集まらないというニュースです。

 

「マンション管理人」の人手不足がヤバすぎる
知られざる実態、時給3割増でも集まらない

東洋経済オンライン

 

マンション管理人といえば、数年前までは楽な分、時給が安いというのが相場でした。

 

時給は都内でも1,000円以下、それでも応募する人は少なくなかったのです。

 

それが、最近はどうなっているかというと、記事によると「東京都心5区の管理人の時給は1,200~1300円。しかも交通費が別」。

 

数年前と比べて時給が3割程度増し、それでもなかなか人が集まらないのです。

 

人によっては、「楽な仕事なのになぜ?」というイメージを持つかもしれません。数年前までの時給を見ると、そのように社会自体がそんなイメージを持っていたかもしれません。

 

しかし、そのイメージ自体に間違いがあるかもしれません。

 

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イメージより楽ではないマンション管理人の仕事

 

マンション管理人といえば、人によっては「座ってるだけで良いね」なんて思いを持っているかもしれません。

 

しかし、特に近年はその仕事が厳しくなっている現状があります。

 

たしかに、ある時は管理人室で座っている時もあるでしょうが、清掃もやれば設備点検もあり、住民のクレーム対応にも応対しなければなりません。

 

クレーマーのような住民もいますから、頻繁にその対応をするだけでも大変です。

 

またマンション管理人の仕事をもっと忙しくしていて、今後ますます厳しくなっていく要因となっているのが、マンション住民の高齢化です。

 

近年は一人暮らしの高齢者が増大しています。

 

一人暮らしの高齢者は、暇を持て余していたり、その生活に寂しさを感じている人も少なくありません。

 

そんな人が、マンションの管理人室にやってきて、話し相手になってもらおうと、管理人室にやってくるのです。

 

管理人さんも住人の会話に耳を傾けないわけにもいかないので、相手になりその結果時間を浪費し、他にやるべき仕事へしわ寄せがでてくるということもあります。

 

もっと深刻なのが、高齢者の認知症や孤独死などの問題です。

 

認知症になる人の割合は、歳を重ねるごとに増えていき、85歳以上では約4人に1人が認知症だといわれています。

 

認知症の高齢者だと、ヘルパーさんなどが来て介護をする時もありますが、四六時中世話をするわけでもありません。

 

中には徘徊をする人もいるでしょうし、暴言を吐くような人もいるでしょう。そのような認知症高齢者の相手もマンション管理人はしなければならず、今後はますます増えていくことが予想されます。

 

孤独死の立ち会いなんかも、できればしたくないでしょうが、仕方ないです。

 

このような大変な仕事があるにもかかわらず、マンション管理人の給料が安いということであれば、「こんな仕事やってられるか!」となるのもうなずけます。

安月給と激務に耐えきらずに人がどんどん辞めていき、その穴埋めができないのも当然なのかもしれません。

 

結局こういうことなんだと思う

 

マンション管理人の仕事が厳しくなったのも理由があります。

マンションの管理は管理会社に委ねる事になりますが、できるだけ管理費を抑えたいというマンション住民の希望があります。

 

管理費を抑えたしわ寄せはどこに来るかというと、管理人の仕事の多様化です。

 

日常の清掃から設備点検まで、マンション管理人に多様な仕事を担ってもらう管理会社は多いです。コスト削減のためにです。

 

さらに住民意識や管理会社自体の意識も、マンション管理人をまるで便利屋みたいに扱い、そのことがさらにマンション管理人の仕事を忙しくしています。

 

日本流「過剰サービス」は誰も幸せにしない
「カネを取れないサービス」は本当に必要か

東洋経済オンライン

 

人手不足でマンション管理人が不足すれば、管理人のいないマンションが増え生活の場が崩壊していくことになるでしょう。

 

さらに、過剰なサービスとそれに見合わない安価な管理費などの低コストを求めるばかりに、結局は管理費の値上げにつながっていくことにも逆になりかねません。

 

マンション管理会社もマンションの住民も、マンション管理人を過小評価したことで、巡り巡ってそのツケが回ってきたのかもしれません。