百貨店の大規模改装や建替えが続いています。
ただ、全国の店舗が大規模改装や建替えをするというわけではなく、大規模改装などが行われるのは、大規模旗艦店が中心。
逆に郊外型百貨店は淘汰の波が押し寄せ、百貨店も「選択と集中」の時代に突入したともいえます。
大規模改装の波は、重要文化財にも指定されている「三越日本橋本店」にも押し寄せ、その店舗イメージを変えようとしています。
Contents
続く百貨店の大規模改装・建て替え
都心の百貨店の大規模改装や建て替えが続々と行われています。
こちらの再開発も百貨店建て替えとして行われている大規模プロジェクトです。
その他にも、松坂屋上野店、東急東横店、大丸心斎橋店の建て替えなどがあります。その他大都市での大規模改装が続々と行われます。
百貨店、大都市で改装ラッシュ、そごう横浜店、松坂屋名古屋店…、若者離れに危機感。
https://messe.nikkei.co.jp/js/i/news/108622.html
百貨店の大規模改装や建て替えの流れに対して、同時にこのような動きも出てきています。
郊外店が続々と閉鎖へ
都心の百貨店をリニューアルする流れに反して、郊外店を続々と閉鎖する動きが加速しています。
今年2017年は特にその傾向が見られました。
例えばこちら
百貨店
地方・郊外型苦境 17年までに大手7店閉店
三越千葉店をはじめ、三越多摩センター店、そごう柏店、阪急北花田店などいづれも大都市近郊を中心として店舗を閉鎖する動きです。
その他に閉鎖はしないものの、西武百貨店がライバル会社である阪急百貨店に郊外店舗を譲渡するという動きもあります。
百貨店は場所貸し業
「百貨店は場所貸し業」とよく言われます。皮肉交じりの言葉ではありますが(^_^;)
小売店は、「物を仕入れて販売」するイメージを持つと思いますが、百貨店のビジネスモデルは少し異なります。
一部百貨店独自で仕入れをし、在庫負担まで負う場合もありますが、売上の多くはメーカーに場所を貸すだけで、在庫負担も仕入れも一切関与しない場合もあります。
百貨店で働く従業員も実はメーカーから派遣されている人で、百貨店の従業員でない場合が多いのです。
こういうビジネスモデルですから、どれだけ有力なブランドを集められるかが勝負になりやすくなります。
となると、どうしても集客力が高い店舗に流れがちになり、結果地域一番店や大規模な旗艦店に有力なブランドが集まりやすくなります。
こうして一部の郊外店舗は売上不振に陥り、閉鎖へと追い込まれるわけです。
建て替えや大規模改装によって人の流れをつくる
どれだけ有力なブランドを集めるかが重要な鍵となる百貨店の経営ですから、売り場を新陳代謝して新たに人の流れをつくることは重要です。
また新宿、日本橋・銀座や梅田などの百貨店激戦区では旗艦店がひしめき合い競争も激化しています。
そのため、旗艦店をテコ入れをして、集客力を上げなければならないのです。
重要文化財「三越日本橋本店」は貴重な近代建築
三越日本橋本店は旗艦店であると同時に、国の重要文化財にも指定される貴重な近代建築です。
ライオン像。三越の象徴です。
東京都の歴史建造物にも指定されています。
館内もとても豪華です。
エレベーターもとても豪華。
日本橋三越にも大規模改装の波
貴重な近代建築の日本橋三越ですが、時代の流れでしょうがここにも大規模改装の波が押し寄せています。
三越日本橋本店の大規模改装によるストアコンセプトは、「カルチャーリゾート百貨店」。
「カルチャーリゾート百貨店」とは、“文化に浸って楽しむ店”として、日本一楽しめる店、遊べる店を目指す事になっています。
改装した本館イメージはこんな感じ。
環境デザイン ディレクターにはあの建築家の隈研吾氏を起用しています。
現在の雰囲気とはガラッと変わってしまうのですが、今まで日本橋三越に訪れない顧客を集客したいという狙いがあるのでしょうか?
イメージに写っているのは若い人ばかりで、若年層を取り込みたいとう意図が見え隠れします。
完成したものを見ないとハッキリは言えませんが、現在の保守的なイメージのある日本橋三越へ訪れる客にはあまりマッチしていないような気もします。
百貨店はかつては流通の王様と言われた時代もありましたが、最近はその凋落がよく話題にのぼります。
日本橋三越はその傾向があまりないですが、最近の百貨店の業績も訪日外国人旅行者の免税品売上に左右されるような傾向もあります。
果たしてこの三越日本橋本店の大規模改装は成功をするのでしょうか?
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