大阪の「綿業会館」は、国の重要文化財にも指定される貴重な近代建築です。
綿業会館は、「日本綿業倶楽部」という会員制のビジネスクラブとして利用されています。
会員制といっても、その敷居は高く、原則現会員の紹介がなければ入会ができません。また、入会金や会費もかなり必要で、一般人ではなかなか足を踏み込めない領域になっています。
綿業会館の外観 内部の見学も可能
綿業会館に行ってきました。大阪の近代建築でも一二を争う貴重な建物で、後世に末永く残していって欲しい文化遺産です。
北西側から。なかなか全景を収めるのは難しいです。
南西側から。とても美しいです。
南側から。歴史を感じます。
綿業会館の歩んできた歴史を見れば、さらにこの建物の重みを感じます。綿業会館は多くの国際交渉の場となったのです。
例えば、リットン調査団が戦前に綿業会館に来館をしています。リットン調査団といえば、歴史の教科書にも出てくる、満州事変に対する調査団です。
大阪だからといって、お笑いコンビではありませんよ(笑)
大阪は戦後長らく「東洋のマンチェスター」と呼ばれて、繊維産業が基幹産業でした。大阪の経済に大きな影響を与えたのが、日米貿易摩擦の先駆けとなった「日米繊維交渉」。
その交渉の場としても綿業会館が使われたともいわれています。
そんな歴史の重みを感じる綿業会館ですが、館内内部も見学が可能です。毎月第4土曜日(12月のみ第2土曜日)に以下のように2部制で行われます。
第1部:(10:30~)見学後昼食付2,600円
第2部:(14:30~)見学のみ 500円
(各部定員35名)
食事もクオリティが高いという評判で、できれば昼食付きの午前からの部が良さそうです。
参加したい場合は、電話での申込みとなるようで、詳しくはこちらのページでご確認を。
なお、私が行った際は日曜日だったので、残念ながらな休館日で内部を見学することはできませんでした(・.・;)
内部の様子をご覧になりたい場合は、こちらのブログで詳細にご紹介されています。
自分も次に綿業会館に訪れる際には、ぜひ内部を見学してみたいです。
綿業会館は会員制クラブの場
綿業会館は、国の重要文化財に指定され、同時に登録有形文化財でもあります。さらにこの場所は、一般の庶民では敷居が高い会員制クラブの場として活躍をしています。
綿業会館は、「一般社団法人日本綿業倶楽部」の建物で、日本綿業倶楽部とは会員制のビジネスクラブで入会するためには、現会員の紹介が必要で簡単に入会することはできません。
日本綿業倶楽部は故 岡常夫氏(東洋紡績株式会社専務取締役(現東洋紡株式会社))の巨額の寄付などによって設立され、綿業会館が建設されました。
設立は昭和3年ですが、この時代有力者による寄付によって貴重な建築物が建設されました。大阪では重要文化財として有名な中之島の「大阪市中央公会堂」も寄付によって建築されたといわれています。
ところで、日本綿業倶楽部にには現在600名ほどの会員の方がおられるようですが、入会をするためには以下のような条件があります。
現会員のご紹介が必要となります。
入会金
・法人会員
300,000円
・個人会員
120,000円
会 費・法人会員( 1ヶ月 )
20,000円(代表者一名)
・同 指定会員 ( 〃 )
2,800円(一名ごとに)
・個人会員 ( 〃 )
5,000円
かなり敷居が高いです!
繊維関係の経営者クラスの方が、集まっていろいろ情報交換の場として利用されているのが綿業会館のもう一つの顔です。
日本綿業倶楽部の役員の方々にも、かつての繊維に関するメーカーや商社の経営者クラスの方々が名を連ねています。
日本に他にもある驚きの会員制クラブ
日本綿業倶楽部の会員になるのは高いハードルがありますが、日本には他にも驚きの会員制クラブがあります。
霞会館
霞会館の会員になるには驚きの条件があります。
「会員資格は皇族、華族の当主と、将来当主となる20歳以上の長男」
会員の家族は利用ができるようです。
現在では華族という身分がないので、旧華族の家柄だけということでしょう。霞が関ビルの34階に「霞会館」があるようですが、原則会員の許可がないと一般の人は利用ができないようです。
敷居が高いどころではありません。
東京倶楽部
東京倶楽部は1884年に、当時の外務大臣井上馨卿等が発案し、イギリスのジェントルマンズ・クラブをお手本に設立された会員制クラブです。
歴代メンバーに吉田茂、芦田均、白洲次郎、向井忠晴など錚々たるメンバー。現在の名誉総裁は常陸宮正仁親王殿下です。
こちらは一般人ではとても足を踏み込むことができない領域です。
霞会館も東京倶楽部もそもそも会員になるには、家柄が必要のようでその点、以下の2つはグ~ンと敷居が下がります。といっても簡単にはなれませんが(・.・;)
アークヒルズクラブ
政財界の大物が会員として名を連ねている会員制クラブ。
六本木ヒルズクラブ
こちらはIT企業などの若手起業家がメンバーに多そうなイメージです。
両クラブとも運営企業が森ビルなのですが、都市に関わる企業だけでなく幅広い業種の方が会員になっているようです。
「選ばれた人しか利用できない」と一応謳っている「イオンラウンジ」とはわけが違います。
[…] 綿業会館は近代建築の会員制クラブの場 富裕層会員向けサービスの敷居の高さを実感 […]
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