旧小西家住宅は、大阪北浜駅の周辺にある国の重要文化財に指定される貴重な町屋建築物です。
旧小西家住宅が建っている周辺は、道修町(どしょうまち)で製薬会社が集積し、ビジネスに観光にとなかなか興味深い場所です。
旧小西家住宅とコニシ株式会社
地下鉄堺筋線北浜駅、駅前には大阪証券取引所がありますが、そのすぐ近く道修町(どしょうまち)に「旧小西家住宅」はあります。
旧小西家住宅は、国の重要文化財にも指定される和風建築物で、一見すると博物館や旅館などに利用されていそうな外観ですが、こちらは東証一部上場企業のれっきとした本社になります。
その企業は、「コニシ株式会社」。
本社機能の多くを東京本社へ移しているでしょうが、今なおこの貴重な商家を本社として利用しています。
この建物だけを見ると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感じです。
コニシ株式会社といえば、なんといってもこの商品が有名です。あの「コニシボンド」です。
【4F売場】衝撃のわさび色のパッケージのコニシボンド。木工用は、愛用しておりましたが、なんと片面が塩ビや金属でも接着できるという強者が登場です!(R子) pic.twitter.com/DqHVMXCqFA
— 有隣堂伊勢佐木町本店 (@yurindo_zaki) April 10, 2017
世界のコニシボンド。日本の名品です、木工用ボンドで他の追随を許さない日本が誇る商品です。
商品も渋いし、本社も渋い!
貴重な和風建築は国の重要文化財でもあり、登録有形文化財でもあります。
東側の様子。歴史を感じます。
南側。
すぐ北側にはこんな超高層のタワーマンションもあります。こちらは「The Kitahama Tower & Plaza」です。
北浜といえば、こちらのタワーマンションも現在建設中ですが、「The Kitahama Tower & Plaza」は高さ209m。日本で一番高い分譲マンションになります。
ちなみに、免震構造ではこのマンションが日本一のようです。
北側の様子。
東側。大きな道は堺筋で大阪の主要な道路のひとつです。
道修町は製薬会社が集積する薬の街
旧小西家住宅は大阪の「道修町」(どしょうまち)にあります。道修町といえば、製薬会社が集まる薬の街としても有名です。
製薬業界トップの武田薬品工業をはじめ、多くの製薬会社の本社や支社・営業所が集まっています。
他にもこんな会社が道修町に本社を構えています。
- カイゲンファーマ 本社
- 小林製薬 本社
- 塩野義製薬 本社
- 大日本住友製薬 大阪本社
- 田辺三菱製薬 本社・営業本部
- 吉富薬品 本社・営業本部(田辺三菱製薬系列)
- 扶桑薬品工業 本社・大阪支店
- 丸善薬品産業 本社
かなりの数の製薬会社が集まっています。その他営業拠点などを合わせるともっと多くなります。
道修町に製薬会社が集まる理由
道修町にこれだけの製薬会社が集まる理由は、江戸時代まで遡ることになります。
当時は薬の原料を外国からの輸入に頼っていました。大坂は「天下の台所」といわれていましたが、薬の原料を全国に送る中継地点としても栄えましたが、その場所が道修町だったというわけです。
有名な製薬会社も当時の薬商人をルーツに持つものの多く、道修町の薬商人から大企業へと発展していったわけです。
近年、大阪の企業が東京へ本社機能を移すケースが目立ちますが、製薬会社に関しては、まだ大阪へとどまる場合も多いです。
これにはいろいろな要素があるでしょうが、ひとつに阪大や京大などを代表とする研究のレベルの高さがあるでしょう。
良い人材が集まりやすいという面です。実際にノーベル賞を受賞した山中教授をはじめ、再生医療などは京大や阪大が一歩リードをしている感じです。
また、行政も今後の成長が見込める分野に「創薬」や「製薬」分野に期待をしています。京阪神それぞれ力を入れているので企業のメリットもあるのです。
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