JR発足30周年を記念して日本列島を鉄道で縦断するツアーが発売され話題になっています。
国鉄から民営化されたJRは30周年をむかえ、イベントやお得な切符などが好評を得ています。
普段JR貨物まで含めたすべてのJRが共同するなんてなかったのですが、30周年を記念して「JR7社共同企画 スペシャルツアー」を発売することになりました。
ひとつの列車を利用して日本列島を縦断するツアーではなく、いろんな観光列車や新幹線を乗り継ぐことになります。
近年は寝台列車の定期列車を廃止する動きが続き、残るはサンライズ出雲・瀬戸だけになりました。
逆に観光列車はトレンドなのかどんどん増えていき、象徴的なのが今年登場した豪華寝台観光列車の「トワイライトエクスプレス瑞風」と「TRAIN SUITE 四季島」です。
「トワイライトエクスプレス瑞風」や「TRAIN SUITE 四季島」は庶民が簡単に乗るには程遠い料金で、多くの鉄道旅行を楽しみたい人たちの不満もあるでしょう。
では「JR7社共同企画 スペシャルツアー」は庶民でも気軽に楽しむことができるのでしょうか?
そのお得度と自分で列車を乗り継ぐ旅と比較して調べてみました。
Contents
「JR7社共同企画 スペシャルツアー」は2種類
JR発足30周年を記念して発売される「JR7社共同企画 スペシャルツアー」は以下のように2種類のコースがあります。
- 観光列車コース:「24の列車で繋ぐ じっくり日本列島縦断10日間」
- 新幹線コース:「新幹線で行く 日本列島縦断3日間」
ともに日本列島を縦断するツアーですが、利用する列車の種類と期間が大きく異なります。特に新幹線コースは3日間のツアーで日本列島縦断ですからかなり駆け足の旅行になります。
ツアーの旅程と内容
スペシャルツアーの旅程や内容はそれぞれこんな感じになっています。
観光列車コース
観光列車コースの旅程とツアーの内容です。
出典 西日本旅客鉄道株式会社
宿泊と鉄道だけの自由ツアーのようではなく、一部食事や観光もセットになったフルサービスのツアーです。
新幹線コース
新幹線コースの旅程とツアーの内容です。
出典 西日本旅客鉄道株式会社
新幹線コースも一部食事や観光もついたフルサービスのツアーです。新幹線コースのほうがガイドがついた観光が充実した印象です。
利用する列車
JR30周年のスペシャルツアーはトワイライトエクスプレス瑞風や四季島と異なり、数多くの列車を乗り継ぐツアーになります。
観光列車コースで利用する列車
観光列車コースのツアーの名称「24の列車で繋ぐ じっくり日本列島縦断10日間」が示すように24もの列車を利用することになります。
- 寝台列車カシオペア
- はやぶさ95号
- はこだてライナー
- 北斗13号
- ノースレインボーエクスプレス
- はやぶさ24号
- なごみ
- 現美新幹線
- Maxたにがわ408号
- のぞみ347号
- ワイドビューひだ13号
- ぬくもり飛騨路号
- 花嫁のれん3号又は特急能登かがり火5号
- 特急能登かがり火4号
- サンダーバード16号
- のぞみ23号
- しおかぜ13号
- こだま741号/「500 TYPE EVA(エヴァンゲリオン新幹線)」
- かもめ33号
- A列車で行こう
- さくら564号
- サンライズ出雲・瀬戸
あれれ?22しかないのですが?
松山駅から道後温泉までは伊予鉄道に乗車するので、JR以外ですが含めていて、青森から新青森までは「奥羽本線」となっているので在来線を利用するのかもしれません。
いづれにしろ列車番号が違うだけで同じ列車に乗る時も複数回ありますし、新幹線を一括りと考える人もいるでしょう。
できれば定期列車を利用するのではなく、各社の自慢の観光列車を臨時で走らせる位のほうが楽しかったと思います。
料金も一人50万円ほどで2人参加で約100万円もかかるのに、定期列車のグリーン車ではなく普通車利用というのもちょっと残念な気がします。
新幹線コースで利用する列車
新幹線コースで利用する列車は下記の通り。ただ新幹線コースは定期列車ばかりなので特にこの列車に乗りたいというこだわりを持つ人は少ないのではないでしょうか。
- はやぶさ12号
- のぞみ359号
- のぞみ391号
- さくら551号
- 南風7号/アンパンマン列車
- 南風4号
- さくら555号
- さくら413号
新幹線コースもグリーン車ではなく普通車を利用することになります。
自分で乗り継ぐ旅と比較する
今回発売される「JR7社共同企画 スペシャルツアー」はツアー料金が高額になりますし、自分で乗り継ぐ旅と比べてお得度がどうなのかは気になるところです。
まず観光列車コースですが、このツアーの目玉はなんといっても定期運行がなくなった寝台列車のカシオペアに乗れることです。
カシオペアに乗車できるツアーは高額で、例えば往路盛岡までカシオペアを利用する2泊3日ツアー(袋は東北新幹線を利用)で一人12万程度からあります。
スペシャルツアーではさらに遠い青森まで利用できて、食事もさらに豪華なダイニングカーでフランス料理、客室もワンランク上の客室になります。
となると、カシオペア目当てに乗車する人にとってはかなりの価値があり、さらに10日間の旅程を考えるとお得度が高いともいえます。
宿泊も定評のある高級旅館や高級ホテルでの宿泊も多いですし、宿泊地での夕食もおそらく豪華なものが用意されているでしょうし。
ただ、カシオペアを除外して考えれば一部を除いて定期列車の乗車も多いです。
そのため、カシオペア区間を新幹線や観光列車を乗り継いで行く場合は、自分で乗り継いで行く場合のほうがはるかにコストパフォーマンスは高いです。
加えて「大人の休日倶楽部パス」などのお得な切符を活用すれば、かなり旅行のコストは下がることになります。
新幹線コースも新函館北斗から鹿児島中央の新幹線を利用した料金(乗車券+特急券)が50,000円程度であることを考えると、びっくりするほどスペシャルツアーがお得度が高いというわけではなさそうです。
そうはいっても、スペシャルツアーの観光コースはすでに完売のようで人気の高さがうかがえます。
自分で切符やホテルの手配などの手間を考えると、パッケージになったツアーのほうが楽ですし、限定ツアーというプレミアム感もあります。