神戸の中心は三宮駅周辺になりますが、あまり動きがなかった三宮駅周辺に活発に再開発が行われようとしています。
そのひとつが、かつては神戸の象徴的な建物でもあった「神戸阪急ビル東館」の建替え工事。
阪神淡路大震災でダメージを受けた往時の神戸阪急ビルは、損傷も大きく解体となったわけですが、当時のイメージを承継するようなデザインで「復活」を果たすことになります。
阪急三宮駅と一体となった超高層ビルが完成する事によって、新たに神戸に魅力的な場所が誕生しようとしています。
神戸阪急ビル東館建替え工事計画
神戸阪急ビル東館建替え工事計画は発表から1年以上が経っていますが、あらためてその計画について振り返ってみます。
まずは完成イメージ。地上29階建てで高さが120mになります。限られたスペースですのでとても細長い超高層ビルになります。
出典 阪急電鉄株式会社
こちらが1936年当時の旧神戸阪急ビル東館です。デザインが承継されている様子がわかります。文字のフォントが昭和を感じさせてくれます。
出典 阪急電鉄株式会社
フロア構成です。ビルには商業施設やオフィスが入居する他に、高層階にはホテルが入ります。
出典 阪急電鉄株式会社
高層階ですから外資系などの高級ホテルも期待したいところですが、グループの宿泊主体型ホテル「remm(レム)」が入居予定です。
新大阪駅でも高い評価を得ているホテルなので、ビジネスパーソンや訪日外国人旅行客にも人気になりそうです。
最上階には展望フロアになりますが、高さから考えると無料になるかもしれません。神戸を一望できる新たな観光スポットになりそうです。
工事の様子を現地に行って見てきた
阪急三宮の神戸阪急ビル東館建替え工事計画の工事の様子を現地に行って見てきました。少し前になりますが9月中旬ぐらいの様子です。
西からの様子です。阪急三宮駅の北側は道も狭いですし、少し圧迫感を感じるぐらいです。
もう少し近づいてみます。とにかく狭いエリアで道路はあるは、地上に鉄道駅、地下に地下街と地下鉄もあるので難工事になっているそうです。
神戸都心の再開発を紹介されています。神戸の都心もかなり変わろうとしています。
東側JR三宮駅からの様子です。数年後にはこの横断歩道から往時を忍ばせるビルができるわけです。
阪急というと、神戸市営地下鉄山手線との直通運転も検討されており、実現した場合は三宮駅の位置づけはどうなるのでしょうかね?
神戸とインバウンド
神戸は日本人にとっては観光地というイメージが強いのですが、インバウンドの実績はあまり芳しくありません。
訪日外国人それなりに訪れているのでしょうが、周辺の大阪や京都の集客力を考えるとかなり差を感じてしまいます。
こんなニュースもあります。
なぜ…神戸、外国人観光客の“人気低迷”くっきり 三宮訪問者、大阪・ミナミの10分の1https://t.co/VFHrMNCTxN pic.twitter.com/ZVYpZyxvwx
— 産経ニュース (@Sankei_news) December 14, 2017
大阪ミナミの難波・心斎橋に訪れる訪日外国人の数が702万人に対して、神戸・三宮は74万人とおよそ10分の1という数字。
この数字はエキゾチックな雰囲気で人気の観光地という自負があった地元の人にとっては、まさかの数字に違いありません。
実際に関西在住の外国人が神戸に住むケースも多いだけに、原因がよくわからないというのが本音ではないでしょうか。
神戸は住むのに良い街
神戸は外国人にとっては、観光に行くとなると少し微妙ですが、住むのには心地良いということなのかもしれません。
実際に、私も海外で会った外国人で、「神戸に住んでいたけどとても素敵な場所で大好き」なんて意見を数度聞いたことがあります。
P&Gの日本法人が神戸を拠点にしているのは有名な話しですし、神戸を選んだのは住環境の良さもポイントにあるのでしょう。
関西では、古くから「京都で学び、大阪で働き、神戸に住む」のが理想という例えがあります。それだけ神戸が住むのに適した場所でもあるのが、この比喩表現からも見てとれます。
神戸が訪日外国人旅行客が少ない理由
神戸に訪れる外国人旅行客が少ない理由は様々なものがあるでしょう。例えば難波はまさに関西空港から最もアクセスがしやすく、利便性の違いという面もあるでしょう。
その他に都市の規模が悪くいえば中途半端な大きさという面もあるかと思います。現在大阪でもアジアからの旅行客が大半ですが、アジアの主要都市は巨大化しています。
母国の商業施設と比べると、どうしても神戸の商業施設が見劣るという感覚を持っている可能性はあります。
それでも福岡のようにフライトの到着地がずばり福岡ということであれば、それでも良いのですが関西の場合は大阪のほうが都市規模が大きいだけにわざわざ神戸に行かなくてもという意識があるのでしょう。
また神戸と京都や大阪とのサービスの違いという面もあるでしょう。京都は日本を代表する観光地で、表面上のサービスは手慣れています。
大阪の場合はそのフランクさが外国人にとっては心地が良い面もあるでしょう。神戸の場合は、サービスが少しそっけないような印象を持ちます。
東京と比べて関西が近年インバウンドで人気になっているのも、このサービスの違いがあるかもしれません。東京は神戸以上にそっけない印象を持ちますから。
神戸は外国人(人数という指標なら東アジア人)が求める
「日本らしさ」が無い、これに尽きるでしょう。
兵庫県内だと、もしかすると姫路にすら大きく劣るかもしれません。
神戸が「日本らしさ」を強化する話も一切聞かないですし・・・
ヒロタのシュークリーム さま
コメントありがとうございます。
神戸に日本らしさがないことが、訪日外国人があまり訪れない大きな理由になっているのは間違いなさそうです。
中国でも、西洋を感じる場所、たとえば青島や上海外灘などは人気観光スポットですから、観光が成熟してくれば状況が変わるかもしれません。
神戸の観光戦略はちょっと難しいものがありそうですね。