前回の東京オリンピック関連の施設でその後有効活用した例はたくさんあります。
そのひとつが「外苑ハウス」。
現在は解体された外苑ハウスですが解体前はこんなマンションでした。
アヒルさん親子が描かれたほのぼの仮囲いと解体待ちの外苑ハウス。 pic.twitter.com/tU1vVdkFfp
— スタックス (@BonkuraResort) May 21, 2017
外苑ハウスの建替をするかどうかは以前から注目はされていましたが、いろんな事情があり実現できない状態でした。
それがオリンピック開催などの理由も影響し、外苑ハウスを建て替えすることが決まり、この辺りの景観がガラッと変わることになります。
外苑ハウスと晴海のオリンピック選手村
外苑ハウスは1964年の東京オリンピックの際に外国人の報道陣宿舎として建築されました。
オリンピック終了後は一般向け分譲マンションとなり、立地の良さやクオリティの高さから高級分譲マンションのような位置づけでした。
オリンピック関連施設をマンションにするとなると、今回のオリンピックでも選手村の晴海では大規模な分譲計画も思い浮かべますね。
晴海と違って外苑ハウスは青山という超一等地ですから、建替えて最新のマンションにするとかなりの資産価値がありそうです。
晴海はあの立地に大量のマンションが供給されて、販売面を少し心配をしてしまいます(^_^;)
明治神宮外苑周辺の再開発
明治神宮外苑といえばこの有名なイチョウ並木もある風致地区で、開発は抑制されていました。
ところが2020年東京オリンピックの開催が決まり、新国立競技場が建設することになると、この辺りも一気に再開発が促進されるような状態になってきました。
例えば外苑ハウスのすぐ近くには日本青年館・日本スポーツ振興センター本部棟が竣工していますが、元々あった場所が新国立競技場の建設予定地にあったため移転してきました。
その他にも周辺の再開発計画があり、オリンピック開催が決まり雪崩のように開発が進められるようになりました。
外苑ハウスの建替えの阻んだもの
外苑ハウスの管理組合ではずいぶんと前から建替えの議論はありました。
60年台の建築物ですから老朽化や一等地の土地の有効活用を考えると多くの住民も建替えを望んでいたのかもしれません。
それに対して建替えを阻むものがありました。それは外苑ハウスのすぐ前に「都営霞ヶ丘アパート」があり、この都営住宅の日照権の問題もあり大規模開発にまったがかかっていたわけです。
しかし、新国立競技場ともに付近の再開発が進むようになると状況も一変。
外苑ハウスの建替えが決まり、そして都営霞ヶ丘アパートが取り壊しされて、住宅の住民は立ち退きということになりました。
住み慣れた方々にとっては残念でしょうが、都の財政を考えてもこの一等地にこのまま古い都営住宅を維持していくことは難しいものがありますから。
建替え後の外苑ハウス
いろいろな事情がありようやく建替えをすることになった外苑ハウスですが、完成すれば地上22階建て延べ6万㎡で高さが86mの高層マンションに生まれ変わります。
完成イメージはこんな感じ。
出典 日刊建設工業新聞
敷地面積が8,754㎡もありますから、建築条件が許せばもっと大きな建物が建てられるのでしょうが、高さも控えめです。
また、周辺の緑地もしっかりとあり都心の一等地でありながら余裕のある空間が魅力的です。
それでも建替え前の規模が地上7階建てで延床面積が1万5872㎡だったことと比較すると約4倍ほどの規模になり、共同住宅の他に保育所、店舗、駐車場などが設けられる予定です。
外苑ハウス建替計画の現在の様子
外苑ハウスの建替計画の現在の様子を調査してきました。
工事現場の向こうには新国立競技場の建設状況が見えます。クレーンの数がすごいです。
建築計画です。取り壊し工事も大林組が関わっていましたが、建築施工も大林組になりました。
もともと建物があった場所辺りですが、解体されてもうありません。
西側の道路沿いの囲いはまだまだ先に続きます。かなり範囲が広いです。
この辺りで囲いは終わります。この辺りでは霞ヶ丘アパートの解体工事が進められています。
別角度から外苑ハウスがあった場所を臨む。向こうには日本青年館・日本スポーツ振興センター本部棟が見えます。
動き出した外苑ハウスの建替計画ですが、完成はオリンピック開催の2ヶ月前2020年の5月末時になります。
いろいろな問題があった外苑ハウスの建替ですが、1964年のオリンピックの2ヶ月ほど前に完成した建物でした。
同じようにオリンピックの2ヶ月前に建替が完成するのも何かの巡りあわせなのでしょうか?
[…] 外苑ハウス建替計画の現在の様子 大林組施工で高層マンションに生まれ変わる […]