下北沢イメージ

 

下北沢駅の地下化は連続立体交差事業と小田急の複々線化事業の両方の意味を持ちます。

 

地下化によって、開かずの踏切問題も解消されたり、新たに再開発ができたりと一見すると良いことが多い気もします。

 

しかし、その一方で周辺住民にとって居住環境が悪化したり、今までの街の個性というものが失われてしまうことだってありえるのです。

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小田急の複々線化事業

小田急の東北沢~和泉多摩川間におよぶ複々線事業は、もともとは全線高架で行われる予定でした。

 

ただ、東北沢~世田谷代田間(1.6キロメートル)に限っては地域住民などからの反対も根強く、この区間は地下化で対応をしています。

 

すでに地下化されているのですが、残るは複々線化のための2線分の工事が行われています。来年2018年3月にはいよいよ複線化による新しいダイヤが組まれることになります。

 

これによって、現在醜い混雑が緩和されたり、列車本数が増えたりなどのメリットが出てきます。通勤通学で小田急を利用する人にとっては便利になるということです。

 

ただ、京王井の頭線との乗り換えがある下北沢駅では、京王井の頭線が地上2階を走っており、小田急の地下化によって乗り換えの所要時間がかかり不便にはなっています。

 

 

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下北沢や東北沢の地上駅跡地を散歩してみた

 

小田急の地下化によって、今までの地上スペースに新たな土地が現れることになります。小田急電鉄でも「シモキタスタイル」とよび、魅力ある街づくりを目指しています。

 

こんな感じで。

 

出典 小田急電鉄

 

ダイヤ改正まで残り1年を切っているので、どのように街が変貌しているのかと思い、現地を訪れてみました。

 

東北沢駅の新しい駅舎。

 

工事によって新しい駅舎なのかどうかもわかりにくですが、こんな感じで昨年11月にキレイな駅舎になっています。

 

 

線路跡の開発はまだまだの様子です。

 

続いて下北沢へ。こちらも再開発はまだまだという様子。

 

 

 

もめた下北沢連続立体交差事業

 

小田急の複々線化による地下化と合わせて、連続立体交差事業として道路建設がセットで行われることになっています。

 

連続立体交差事業とは、ようするに線路を地下や高架にして踏切をなくすことで、道路の混雑を緩和するための事業です。

 

小田急の地下化は、この連続立体交差事業の一環として行われているのですが、連続立体交差事業として認められると小田急にとってはとてもメリットがあります。

 

私鉄の地下化というと、本来であれば私企業が行う事業なので、鉄道会社の負担で行われるように思われがちです。   ただ、連続立体交差事業として認可されると公共事業の扱いになります。

 

公共事業になると、費用負担が国と地方公共団体も行い、23区の場合鉄道会社負担は15%になります。

 

下北沢駅の場合、連続立体交差事業のために新たな道路を作る必要があり、けっこう幅が広い道路を作ることになったのです。

 

こんな感じで。

事業区域の地図

出典 世田谷区

 

 

幅員の計画や約25m、下北沢駅前に整備する交通広場の面積は約5400平方メートルになります。

 

もともと下北沢駅周辺は、車が通るのに苦労するような狭い道ばかりでした。ただ、それが逆に「シモキタ」と呼ばれるような個性的な街を生み出したともいえるのです。

 

そんなシモキタに大通りができようとしています。大通りによって車も簡単に入りやすくなります。車も入り安くなると開発も進み高層マンションなどの建設が進められる可能性も高まります。

 

下北沢という都心に近い便利な場所であるだけにです。

 

従来は低層の住宅が中心でしたので、高層の建物ができると環境が悪化し、地域住民でよく思わない人も多いのです。

 

そのため連続立体交差事業の差止めを求めて、住民が行政訴訟を起こしていたのです。訴訟はすでに昨年に両者の間で和解が成立しています。

 

東京地裁の和解勧告で次のような文言があります。

 

「低層の街並みが地区の生活と文化を育み、下北沢を個性的で魅力のある街としていることに留意し、必要な対応を」

 

車が入って来るのが難しいような路地によって、また不便だったけど開かずの踏切などがシモキタを独特な個性のある街に育てなのかもしれません。

 

ここに新たに大きな道路ができることによって、今まで通りの街の個性を維持できるのかが注目されます。

 

便利になるための都市計画と街の個性の維持を両立の難しさということで、今後下北沢駅周辺の再開発は注目したいです。