日本海側は太平洋側と比べて大地震も少ないし、地震に伴う津波の被害も少ないというイメージを持っている人もいるでしょう。
しかし、新潟周辺は記憶に新しい「新潟県中越地震」に代表されるように、大地震が多く発生している地域でけっして油断のできない場所です。
新潟の大地震の傾向
新潟県周辺では内陸型の地震の巣が数多くあるといわれています。
内陸型の地震を引き起こす原因となる活断層が、日本海に沿って分布しているのです。内陸型の地震は特に都市直下型の場合、被害が甚大になるケースも見られ、より防災への注意が必要でしょう。
新潟の主な大地震
1892年 三条地震
発生:文政11年11月12日(1828年12月18日)
地震の規模:M6.9(推定)
最大震度:7(推定)
死者1,600人(推定)、負傷者2,000人(推定)
1892年に起こった三条地震は、「越後三条地震」または「文政三条地震」とも呼ばれ、新潟県三条市付近で発生しました。
震源が三条市付近の浅いところで発生した内陸型の地震で、新潟県だけでなく遠く離れた江戸でも強い揺れを感じたという記録が残っています。
被害の状況は推定で、実際はもっと被害が大きかった可能性もあります。液状化現象も多数見られたのもこの地震の特徴です。
ほぼ同じ位置で、1670年に過去地震があったという記録があり、今後も注意が必要です。
1964年 新潟地震
発生:1964年(昭和39年)6月16日午後1時1分41秒(日本時間)
地震の規模:M7.5
最大震度:5
死者26人、負傷者447人
震源は新潟県北部沖合に浮かぶ粟島南方沖40km付近。地震の約15分後には津波が日本海沿岸を襲い、最も大きい波高で4.9mが記録されています。
日本の歴史上で最大規模の石油コンビナート火災も引き起こし、143基の石油タンクが延焼。火災の鎮火に時間がかかり、地震から約2週間にもおよぶ長期間火災が続きました。
液状化現象も数多く見られ、この地震を直接のきっかけとして地震保険が誕生したといわれています。
2004年 新潟県中越地震
発生:2004年(平成16年)10月23日午後5時56分00.3秒(日本時間)
地震の規模:M6.8
最大震度:7
死者68人、負傷者4,805人
新潟県中越地方の直下で発生した内陸地震。阪神・淡路大震災以来観測史上2度目の震度7を記録した地震で多くの被害を出した。本震の跡、規模の大きな余震が連続して発生したのもこの地震の特徴です。
交通インフラにも大きな影響があり、上越新幹線が脱線し、これは国内の新幹線で初めて営業運転中の脱線でした。
道路も高速道路や一般道路で亀裂や陥没が起こり、土砂崩れや崖崩れによって、生活道路が寸断したケースもあり大きな影響がありました。
2007年 新潟県中越沖
発生:2007年(平成19年)7月16日10時13分23秒(日本時間)
地震の規模:M6.8
最大震度:6強
死者15人、負傷者2,346人
新潟県中越地方では、2004年「新潟県中越地震」以来のマグニチュード6以上の地震。震源は中越地方の沖合で、2004年の地震の北西約40km。
震源に近い、柏崎市、長岡市、上越市などで主な被害があり、死者や負傷者などの人的被害や多くの建物の全壊や半壊の被害が発生しました。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所3号機変圧器が延焼し、少量の放射能漏れがあったことが、後の調査結果で明らかになっています。
まとめ
新潟県では歴史上数多くの大地震が起こっています。近年「新潟県中越地震」と「新潟県中越沖地震」という大地震が立て続けに起こっていますので、地震に対する備えはあるでしょう。
しかし、「地震は忘れたころによってくる」といわれるように、過去の教訓を風化せずに防災意識を高めて欲しいと思います。